「思いをどこまで繊細に読者に伝えられるか」

――プロモーション動画を見ると、yasunaさんとのコラボでビジュアルと思わせる作り方をした理由も腑に落ちます。yasunaさんはイメージイラストやマンガに始まり、小説の挿絵、ミュージックビデオと進んできたMIYAMUさんとのコラボでこの先どのような展開を考えているのでしょう?

撮影/柏原力
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yasuna 私はMIYAMUくんとやっているマンガ(i-VOCEにて連載中)を続けたいです。やっぱりマンガと挿絵って違うんですよね。マンガは監督の気分で描いています。コマ割りもそうですし、どのアングルで描くと伝わりやすいかなとか、ディテールまで考えながら。

動画もやりたいです。私は過去に、デビューされている方のミュージックビデオでイラストを描かせていただいたことがあるのですが、今回参加した『ホワイトカメリア』の動画は、自分たちが作った世界が音楽で厚みを増していく様子を目の当たりにできて、本当に楽しかった。文字や平面の絵だったものが動くというのは、自分のなかでない経験だったので。

MIYAMUくんの絵を描く時は、いつもMIYAMUくんが表現しようとしていることを出力する機械になっているイメージです。「MIYAMUくんの思いを、どこまで繊細に読者に伝えられるか」にこだわって描く。
なのでもちろん小説の挿絵も引き続きやりたいです。『ホワイトカメリア』は、手前みそですが完成した現物を見た瞬間「かわいい!」って思いました。表紙がかわいいから、私なら絶対にジャケ買いしちゃうなって(笑)。

撮影/柏原力

「坂元裕二さんの作品が好きなんです」

――「小説はこういうものだ」という枠が一切ない状態で生み出された『ホワイトカメリア』が初めての書籍にして1ヵ月で5回の重版が決まるというのはなかなかないことです。今後も書いていきたいものなどはあるのでしょうか。

MIYAMU 小説としては今後、2作目、3作目となった時に、「失恋バーのMIYAMUさんだからいい言葉が書かれているんだろう」とか「最終的にみんなが幸せになる物語なんだろう」と思われないように、いい意味で読者を裏切るものを作らなきゃいけないと思っています。

エモとか純愛とか、優しい言葉で終わるだけじゃない作品ですね。もしかしたら、読後感がイヤ~な感じのものになるかもしれないけれど、プラスでもマイナスでも、感情がゼロじゃなく、どっちかに振れたら勝ちだと思っているので。「結局誰も幸せにならんかった……」という小説も、今後書いてみたいと思っています。

(c)yasuna/講談社『ホワイトカメリア』より
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そして本当の本当を言うと、ドラマや映画の脚本を書きたいんです。脚本家の坂元裕二さんが好きなので、自分もどれだけ面倒臭い会話を密に書けるかに挑戦してみたい。そもそも『ホワイトカメリア』もほぼ会話劇で、カギカッコが多すぎたせいで膨大なページ数になっちゃった作品ですからね。「小説家として文芸の世界で名を馳せたい」というより、自分の書いた言葉を誰かが演じてくれたり、歌ってくれたりしたら嬉しいなと思います。

ホワイトカメリア
SNSにて話題を集めるMIYAMUさんとイラストレーターのyasunaさんが共作で贈る、6人の男女のもどかしくやるせないラブストーリー。「誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる」「正論はときに暴力になる」「恋愛に、正しいも正しくないもない」――複雑すぎる現代を懸命に生きる、若者たちのリアルな恋愛。
【4月3日トークショー&サイン本お渡し会開催!】
撮影/柏原力
4月3日(日)に開催される「小説『ホワイトカメリア』発売記念 MIYAMU & yasuna トークショー&サイン本お渡し会」に登壇予定。制作秘話が語られるイベントの詳細はこちら→
https://ameblo.jp/shibuya-tsutaya/entry-12731818326.html

構成・文/上田恵子