1ドル=125円超え…日本人の生活を直撃する「円安」がここまできた「4つの理由」

2022年3月28日の東京外国為替市場において、一時的に1ドル=125円台を突破するなど、想定以上のペースで円安が進んでいる。全世界的なインフレで輸入物価が上昇しており、ウクライナ問題でさらに物価高に拍車かかる可能性が高まってきた。こうしたタイミングで円安になってしまうと、日本経済にはダブルパンチとなってしまう。今、進んでいる円安の原因について整理してみた。

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円安をもたらす4大要因

為替というのは、上がるか下がるかなので、単純に見えるかもしれないが実は奥が深い。マクロ経済との関係が密接であり、各国の物価や金利、経済成長率など多くの要因が複合的に絡まって為替レートが決まる。加えて、有事の際にリスク回避としてどう行動するのかといった地政学的な要因もあり、単純に経済合理性だけでは処理できない部分もある。

為替市場に参加する投資家も様々で、貿易で外貨を必要とする実需に加え、短期的な利鞘かせぎを狙う投資家や、年単位での変化を見越した投資家まで、多くの思惑が交錯している。ただ、今回の円安は構造的なものである可能性が高く、それ故に長期化・恒常化が予想されるのだが、その要因は主に4つである。

(1)日米金利差の拡大

現時点で、ドルを買って、円を売っている投資家の多くは短期的な取引と考えられる。ドル買いのもっとも大きな要因となっているのは日米金利策の拡大である。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、金融正常化を目的に2022年3月から利上げをスタートした。

当初はあくまでも量的緩和策からの脱却が目的だったが、ほぼ同時並行で全世界的なインフレが発生し、金利の引き上げはインフレ抑制策としてのニュアンスも強くなっている。ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格がさらに上昇する可能性が高まっており、金利の引き上げペースが速まるる可能性も指摘される状況だ。

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