2022.03.30

年収670万の30代夫婦、「保険の入り方を間違えた」せいで“家計破綻危機”に陥ったワケ

保険と貯蓄

私は九州でファイナンシャルプランナーをしている中村と言います。日々、さまざまな方からお金にまつわる相談を受けていますが、そのなかには「知識があれば回避できたのに…」と思わされる失敗も少なくありません。

ここでは私が見てきた「ありがちなお金の失敗」をご紹介します。今回は生命保険に入り過ぎたことによる「失敗例」です。

前回ご紹介した「住宅ローンの失敗例」に続き、実際に私のところへ寄せられた相談事例をもとにしたものです(プライバシーに配慮し、ポイントがブレない程度にアレンジを加えてあります)。

本来家族を守ってくれるはずの生命保険ですが、加入し過ぎたことにより支払いが困難となり家計が破綻してしまう恐ろしい事例です。これから詳しくみていきますが、得られる教訓は、「保険と貯蓄は別々に考える」というものです。

では早速みていきましょう。

〔PHOTO〕iStock
 

〇ご相談者の家計と生命保険加入状況

相談者・佐藤裕太さん(仮名、以下同)の家族構成は以下の通りです。

夫・裕太さん→37歳、会社員(総合商社)、年収630万円(税込)
妻・優子さん→35歳、パート、年収36万円(税込)
長男3歳(幼稚園)
銀行預金:275万円
住宅ローン:残債1900万円、残期間30年、月々返済額6万5500円
生活費:毎月20万円(住居費、教育資金、車の維持費、娯楽費等除く)

これだけの情報を見る限り、ごく一般的なご家庭の家計内容と思う方が多いでしょう。しかし、佐藤家がほかのご家庭と大きく違ったのは、生命保険に10件加入されていたこと。その支払い保険料は年間なんと約120万円! 月々に換算すると約10万円と、有り得ないほど生命保険に加入されておられました。

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