2022.03.30

芸能界の「性被害」、被害者・告発者が続出するその驚くべき実態

告発者が苦しい思いをする世界
片岡 亮 プロフィール

彼女は断ったが、所属事務所から「断ると仕事がなくなる」と言われ、そのとおり出演番組が複数降板になったという。出川の事務所などはこれを否定し、本件と無関係なタレントの武井壮も、動画で「芸能界は全然そんなところじゃないっすよ。すごい健全なところ」と言っていたが、傷ついた女性を気遣う言葉がなかったのが異様だった。

 

強烈な「ウソつき扱い」

彼女の言うことが本当か嘘か、そこばかりに話が集中していたのはネット上でも同様、「証拠もない昔の話」「売名行為だろう」などの意見が多々あった。勇気を出して告発をしても、一斉にウソつき扱いされる、そんな社会に対する反発こそが、近年、世界的に広がった「#MeToo」運動の背景でもある。

どんなに証明の難しい昔の話であっても、過去のセクハラや性的暴行の被害体験の告白が連なったのは、その主題が加害者の追及ではなく、被害の辛さの共有にあったからだ。「私もそういうことがあった」と言うことができることが重要で、加害者をどう処分するかはあくまで二次的要素でしかない。

今回の性被害告発も、我々は何が真実かは知りようもないが、もし傷ついたと言っている女性が自分の家族や友人だったら、「証拠を見せろ」と言う前に「辛かったね」と声をかけるはずだ。なにかと責任追及ばかりが先行する日本社会だが、加害者を追放して一件落着する話ではない。なにしろ芸能界の場合、性被害の話がいくらあってもおかしくないと語る人々がいるのだから、まず何があったか耳を傾ける流れがあれば、それこそ少しでも被害を減らすことに繋がるのではないか。

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