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世界に誇る日本ブランド120! JAXURY アワード&シンポジウム開催!
2022.03.31
#PEOPLE

日本が誇るラグジュアリーJAXURY アワード 2022開催!

世界に誇る日本ブランド120! JAXURY アワード&シンポジウム開催!

アワード授与式が終わり、後半のシンポジウムでは、SDM研究科教授の白坂成功氏による「人は見たいものしか見ない」バイアスをどう超えていくか、というシステムデザインとJAXURYの今後を見据えた見ごたえ聞きごたえたっぷりの講演がスタート。

白坂教授の「人は、見たいものしか見ない」という言葉にドキッととさせられる。また、特定の集団は特定のバイアスにかかっているという。つまり「いつも知っている集団」だけでいると、見えないものがあるのだ。これを突破してこそ、JAXURYは生まれていく。

続けて京都西陣織のブランドで、アワードでは「美」部門の部門賞を受賞したHOSOO代表の細尾真孝氏による講演が。そこでは、西陣織がどう生き延びてきたかが語られた。西陣織ができるまでの工程は20以上あり、20人のプロフェッショナルの手によって織物が完成されること。1688年に創業したHOSOOが、400年以上続いた秘訣は、経済ではなく、美を追求し続けたことにあったというストーリーを知る中で、世の中がどんなに効率化されていっても、美を最上位概念に置いたその精神に、聞いているこちらの背筋も伸びる。

西陣織のHOSOOは、去年に引き続き大賞受賞。右は、大賞の盾を受け取るHOSOO代表取締役社長の細尾真孝氏。

シンポジウムのまとめとして、最初に慶應大学SDM研究員にして、テイラーアンドクロース代表、JAXURY委員会理事の隅谷彰宏氏によって、自身が「JAXURY」の種を見つけるに至ったストーリーが語られた。それに続く前野氏のグロージング講演では、ずっと「贅沢は敵だと思っていた」が、隅谷氏との出会いによって、ラグジュアリーが単なる贅沢ではないことを知り、日本のものづくりと向き合うことに。本当に良いものを世界に発信していくことが、システムデザイン・マネジメントとの発展ともシンクロしていくことなどの、自身のアカデミアに関する“気づき”の物語が語られた。さらに、先述のCFCLの高橋氏の「JAXURYのJapanはどこに帰属するのか?」という問いに対しての応えもあった。
前野氏「JAXURYは国粋主義や国家主義的な理念ではありません。日本の風土に根ざしたものづくりの姿勢を謙虚に学んでいくこと。良いものを作っている人たちで集まって、化学反応を起こしていくこと。作り手と使い手が連携して、世界に打って出ていこうとすること。そういった志を持った人たちのプラットホームでありたい。ですから、作り手だけでなく、その使い手もまた、日々学び取っていく姿勢があれば誰もがJAXURYの担い手たりえるのです」

能楽師の安田登氏は、「FRaU5月号 JAXURY号」の特集「日本人の身体」のなかで、「温故知新」の言葉の、本来の意味について語っている。“温”とは材料を温めることで、“新”は、木の新しい切断面を指す。だから、グツグツ何かを煮込んでいると、それまで気づかなかったような、全く新しい切断面が出現するのだ、と。安田氏はこうも言った。「新しい何かが生まれるには、魔術的時間が必要だということです」と――。
人と人が出会い、美や価値や未来に対する考え方をぶつけ合う。まだ切断面は見えなくても、このシンポジウムもまた、いろんな素材がグツグツと煮込まれた魔術的な時間のようだった。

取材・構成/菊地陽子 撮影/齋藤浩、大坪尚人(講談社写真部)

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