「50代に生命保険は不要」FPのアドバイスを“鵜呑みにしてはいけない”理由

専門家の助言に右往左往する夫婦
山中 伸枝 プロフィール

「ねんきん定期便」から根拠を確認

筆者はご相談時には必ず「ねんきん定期便」をお持ちいただきます。なぜならねんきん定期便を見れば、国からの保障がどの程度あるのか具体的に試算することができるからです。

国の年金は、長生き保険である「老齢年金」、生命保険である「遺族年金」、働けないリスクをカバーする「障害年金」の3つの保険のパッケージですが、おひとりおひとり年金加入の状況が異なるので、それぞれ詳細を確認する必要があるのです。

山本さんのご主人は現在嘱託社員です。いずれお勤めもやめることになりますので、まずは「ねんきん定期便」の受給資格期間が300ヵ月以上あることを確認しました。

配偶者が一生涯継続して受けられる遺族厚生年金は、会社を退職した後の死亡では年金制度に25年以上加入していることを条件に支給されます。山本さんは、大学を卒業して以来同じ会社でお勤めされていますので、ここは問題ありません。

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では、奥様に支給される遺族厚生年金はいくらでしょうか? 

昭和35年生まれのご主人は、年金受給は64歳から特別支給の老齢厚生年金が、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受け取ります。50歳以上のねんきん定期便には老齢年金の見込み額が書かれているのでその数字を元に計算します。

実際、山本さんは65歳まで働くつもりなので、定年以降の働きによって老齢厚生年金は幾分増額されますが、今回は現時点で分かっている数字で遺族年金を計算します。

万が一の時に配偶者が受け取れる遺族厚生年金は、ねんきん定期便に記載されている老齢厚生年金額の75%です。山本さんの場合、老齢厚生年金額が約130万円ですので、遺族厚生年金は約98万円と計算ができます。

 

もし山本さんが亡くなると、奥様は遺族厚生年金約98万円を一生涯受け取れます。奥様が65歳になると、ご自身の老齢厚生年金との調整が行われますが、お勤め期間が6年と短い奥様の場合は、ご自身の老齢厚生年金が8万円ほどなので、受取金額は98万円のままとなります。

ただし、内訳が遺族厚生年金90万円、老齢厚生年金8万円となります。遺族厚生年金が非課税なのに対し、老齢厚生年金部分は課税対象となります。公的年金等控除が適用されますが、国民年金部分とあわせると若干課税されることになりそうです。

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