死刑に参加した刑務官が明かす…「執行」の日を待つ死刑囚が取った「異常な行動」

現代ビジネス編集部

追いつめられる死刑囚

死刑囚は死刑確定から執行までの間、拘置所で生活を送っているが、今日か、それとも明日か…いつ死刑になるか分からない恐怖に数年~数十年苦しめられることになる。

ある日、死刑囚Nのもとに妻が面会に訪れた。

「あなた、太郎(仮名)が昨日、学校で絵を描いてきてね」

そう妻が話しかけると、Nは

「次郎が絵を描いたのか!」

と返した。

「刑務官が明かす死刑の話」より

「あなた、息子の太郎よ…?」と妻は不審がるが、「うん。だから息子の吾郎のことだろ?」と譲らない。

どういうことだろうか。M刑務官はこう語る。

「Nには太郎という名の一人息子がおり、他に子どもはいなかった。これは『ガンザー症候群』と呼ばれるもので、長い拘置所生活によるストレス症の一種です。例えば、1+1=3と答えたり、問いに対する返答がズレたりするなどの症状が出ます」

 

この病気はストレスから離れればすぐに治るとされているが、言い換えると、死刑になるまで治らないということになる。

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