ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい書き方を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がされています。そして「現在、効果の認定されている治療法が無い」と言われていることで知られています。ALS罹患を公表して2年半が過ぎ、病状は進行しています。そしてALSという難病の最終段階に入ってきたと思います。今回はALS罹患者として2年半が過ぎ、体の異変を感じて3年が過ぎた現在の私の状態についてお話していきたいと思います。違和感を抱き始めた頃と比べながら話を進めたいと思います。

1992年4月11日に登場した「ニャンちゅう」。30年間その声を吹き込んできたのが声優の津久井教生さんです。津久井さんご自身も3月に61歳の誕生日を迎え、人生のほぼ半分をニャンちゅうとして生きていらっしゃることになります。そんな津久井さんが「歩きにくい」と感じたのは3年前、2019年3月のことでした。検査入院を経て同年9月にALSと告知を受け、いまALSと共に生きています。
率直にその様子を伝える連載「ALSと生きる」、今回はこの3年の変化を綴っていただきます。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん。鎮西さんはツイッターで「キッズファミリー賞」受賞にお祝いのメッセージも! 写真提供/津久井教生
津久井教生さん連載「ALSと生きる」今までの連載はこちら
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違和感を覚えてから3年が過ぎました

はっきりと「おかしいな」と感じたのは2019年の3月でした。仕事でスタジオに向かう坂道で、手をつきながらも1回転するような勢いで転びました。疲れて足が張っていることを原因とした動きの悪さではないという感覚でした。それどころか疲れていても少しは踏ん張れると思うのに、それが一切なく足がなくなってしまったような感覚でした。

「いったい今のは何?」と瞬間に思いました。やり過ごすことなく、その場で考え始めた自分がいたのを今でも覚えています。派手に転んだのもありますが、自分の中で転んだ原因を考えても、さっぱりわからなくって「これはあり得ない」という大きな違和感に包まれたのです。

2020年4月、連載第1回目の記事で詳しく伝えている

のちに振り返ってみると、それ以前に、階段の上り下りの途中で疲れてるなと感じたり、舞台でジャンプした時に、今日はジャンプ力が悪いなと感じたことはありました。でもそういう事って結構あるものではないでしょうか、なので運動不足や年齢のせいにしていたのです。ですから「嘘でしょ?」という違和感はこの時が初めてだったと思います。

そしてこの違和感を抱いてからは、かなりの進行の速さでALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状が襲ってきたのでした。