野田聖子さんが小児脳科学者・成田さんと語る「がんばらない子育て」

野田聖子×小児脳科学者・成田奈緒子 対談(前編)
成田 奈緒子, 野田 聖子 プロフィール

パートナーがいても孤独な人が増えている

成田 今、世の中は情報過多で、大事なことが親御さんたちの頭に入らないので、みなさん不安になってしまう。隣に夫がいる、妻がいる。でも、双方の意見が合わなかったり、遠慮なく意見を言い合える関係を作れていなければ、パートナーがいてもひとりぼっち。家庭があるのに孤独を感じている方がすごく多いんです。

野田 私みたいに、どちらかと言えば強いと思われている人間でも、やはり折れそうなときもありましたし、誰かに意地悪なことを言われれば落ち込みもします。きっと誰にでもあるのでしょうね。

成田 あります、あります。育児って、絶対に孤独で不安な作業なので。

成田奈緒子氏

野田 孤独や孤立を感じたら家族に相談しましょうと言うけれど、私の母親は子どもにあまり干渉しなかったので、いま思えば妹弟も気の毒な子どもだったのかもしれません。その代わりプレッシャーもなく、強制もされず、伸び伸び育つことが出来ました。

成田 なるほど。では、野田さんにとって子育てのロールモデルは誰ですか?

野田 それは夫ですね。育児をする夫の姿かもしれません。お伝えしたように、うちは育児の主体がパパ。でもそれって、悪くないと思うんです。子どもはママだとなめてかかるけど、パパだと違う。それは力で勝てないし、怒ると怖いから。だから、現状ではなかなか難しいけれど、子育ては男性がやったほうがいいのかもしれません。育児や介護は力仕事ですから。男性がやってくれたほうが助かることは多いと思います。

成田 でも現実問題としては難しい。

野田 私も夫に「自分だけ外でお酒飲んだりしてずるい」と言われることがあります。私はそこで、疲れて帰ってきても玄関前で深呼吸して「ただいま」と言って家に入ります。「疲れた」というのは一切言わないよう心がけています。「僕も疲れているんだよ」って言われてしまいますから。

成田 働く夫婦のあるあるですね。

野田 だから私は夫がしてくれている育児をリスペクトしています。男女問わず、今日本で子育てをしている人たちがどれだけ大変か。彼ら彼女らの不安や悩みを共有して、「こども家庭庁」の理念に活かしていきたいのです。

文/島沢優子

 
お2人の対談の後編は明日公開!
​▼『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』は10月22日発売。山中教授が初めて「子育て」について、医学部時代の同級生で、山中教授の「恩人」でもあった小児脳科学者・成田奈緒子医師と語った貴重な対談です。
第一章    「ほったらかし」が子どもを伸ばす
第二章    親子で「ええかっこしい」をやめる
第三章    良い習慣が脳を育てる
第四章    常識を疑える子どもに育てる
第五章    レジリエンスを身につけさせる
第六章    しぶとい子どもは目線が違う

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