今までにないアイドルの形を貫いたパン・シヒョク

アイドルを売り出すには莫大なお金がかかります。10代の子を集めて寮に住まわせ、毎日レッスンをさせて、何年も育ててデビューさせて。それだけに、デビュー後はかかったお金を取り戻すために朝から夜までスケジュールを入れ、フルで働かせます。そんな状況ですから、アイドル自身にやりたい音楽があったとしても、ほとんどの場合、そこに時間を割く余裕などありませんし、そういった決断はしません。

ところがBig Hitのパン・シヒョク代表はBTSのメンバーに、「きみたちはアイドルではあるけど、自分たちのやりたい音楽をやっていいからね。スケジュールは気にしないでいい、ゆっくり作ればいいから」と言ったといいます。これは韓国のエンタメ界ではものすごく画期的なことだったと思います。

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また、2013年のデビュー当時、韓国のテレビ番組は芸能大手3社が出演枠を押さえていて、小さな事務所のタレントにはほとんど出番が回ってきませんでした。BTSも、大手事務所のアイドルの出演がキャンセルになった際に、やっと呼ばれるくらい。固定で毎回出演できれば、テレビを通して顔を覚えてもらえ、大衆に認知が広がるのも早くなりますが、BTSはそれがスムーズにできませんでした。

そんな状況でパン代表がとった作戦が、テレビの代わりにBTSの音楽やバラエティー動画をYouTubeのチャンネルで配信し、SNSで存在をアピールすることでした。Twitter はデビューの2年も前の2011年7月にスタート。メンバーたちが地道に発信することで、テレビに依存しない世代のファンを増やしていきました。まだ、韓国のアイドルたちがSNSよりテレビメディアに比重を置いていた時代です。苦肉の策で始めたYouTubeやSNSでしたが、これがのちの彼らの運命を大きく変えることになりました。

デビューした日に公式Twitterにアップされた彼らのツイート。出典/公式Twitter(@BTS_twt)
YouTube(BANGTANTV/BTS Debut day 130613),デビューした日の様子も配信