1歳児に背筋を伸ばして座らせる?

その流れから、先日は西日本の認可園(社会福祉法人)で保育士をしている女性に「立腰(りつよう)保育」の話を聞いた。字の通り「腰を立てる」、つまりは背筋をピンと伸ばすことをしつけるのだという。ネットで調べると、保育関連のサイトや立腰保育を実践している保育園のサイトに説明が続々出てくる。効果は以下の通りだ。

★姿勢が良くなることで、骨盤の歪みが治るため、内臓の働きが良くなる効果が期待できる。
★血流の改善効果が期待できる。
★子どもの頃から正しい姿勢を身に付けることで集中力が増し、運動や勉強でも高い効果を得られる。
★子どもの成長に欠かせない教育方法として注目されている。
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いいことだらけだ。いまどきの児童生徒は背中が丸まっているなど、姿勢の悪さは教員の人たちからも聞いたことがある。
「なるほど、いい取り組みじゃないですか」と話すと、女性は顔を曇らせた。

聞けば、その保育園は立腰を1歳児からやらせるという。絵本を読む際、小さな椅子に座らせて背筋をまっすぐにするよう指導する。多くの子どもはぐずったりしてできないため、保育士たちもだんだん顔が険しくなる。彼ら彼女たから「ほらっ、まっすぐにして!」などと厳しい声も飛ぶそうだ。

まだよちよち歩きの子どもがそんなことをさせられているなんて、想像するだけでも悲しくなる。女性も「やらされて我慢させられて本当にかわいそうで。私たちも子どももストレスだけど園の方針だからやるしかなくて」と辛そうだ。

まだ歩くのもおぼつかない子だっているのが1歳児だ(写真の人物は本文と関係ありません)Photo by iStock 

一方で、園に子どもを預けている保護者は歓迎しているという。
「親御さんたちは叱られている場面などは見ていないし、そんなに深く考えていないと思います。おかげで勉強ができるようになる、と思っているのかも。保育園も立腰をやっていることをアピールしています」