過去からすれば大きな前進だけれども、下着の色の自由が着地点だとすれば、それはあまりにも小さな前進である。むしろ、それだけしか前進させてもらえないのが学校とさえ言える。

事実、自分の生まれながらの髪色・髪質を報告させる「地毛証明書」は、廃止には至らなかった。生まれながらの髪の色を書面で報告させるとは、危うさ満載の取り組みにも見えるけれども、報道によると、“生徒や保護者からの要望”により存続とした学校があるという。地毛証明書が必要だということは、それを提出せざるを得ない理由が残っているということだ。校則は容易には姿を変えない。

※写真はイメージです〔PHOTO〕iStock
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「ここまで時間がかかったのは残念」

『毎日新聞』に掲載された都教委の山口香委員の言葉には、まさに遅々として進まぬ校則改革への苛立ちが見えてくる。「すばらしい取り組みだが、ここまで時間がかかったのは残念」(2022年3月12日、東京朝刊)と嘆くように、たしかに今回の成果を得るまでに、昨年4月の取り組み開始から1年が過ぎている。1年をかけてようやくツーブロックが容認され、下着の色が自由化された。これではかえって、時間の浪費が目立ってしまう。

校則は、校長が定めることになっている。ツーブロックの禁止については、校長が「明日からは、ツーブロックも問題ないです」と一言いえば、すぐにでも変更しうる。
都教委の発表はあくまで都全体のことだから、個々の学校の対応はもっとちがっているのかもしれない。だがじつは、校則の内容に関係なく、変更に半年から1年が費やされるというのはこれまでの標準的な経過である。