タイツの黒色許可に半年

たとえば、2019年12月12日にNHKが「黒タイツがダメ!? 校則とたたかった高校生たち」と報じた、岐阜県の県立高校の事案がある。校則で女子生徒のタイツがベージュ色に限って着用を認められていることについて、生徒会が黒色のタイツも認めてほしいと学校に訴えた。

NHK生活・防災のTwitterアカウント(@nhk_seikatsu)は、記事をこのようにツイートして紹介した――「古くて新しい校則の問題。高校生たちが向き合った半年間の記録です」。その半年間の闘いは、下記のような経過をたどった。

・2019年2月:生徒会が生徒や制服取扱店に聞き取り調査をおこない、学校に提案。学校は生徒の提案を却下。

・2019年7月:生徒会が生徒と保護者にアンケート調査を実施し、その結果をもとに学校に再提案。学校は再び提案を却下。

・2019年10月:保護者と卒業生を交えた協議の場をもち、黒タイツを承認。結果を受けて、学校は黒タイツの導入を決定。

生徒は自校の生徒のみならず保護者や卒業生にもよびかけて、半年を超える活動の末に、黒色のタイツを手にとることができた

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「ひも付き白色運動靴」の解除に半年

こうした例は、いくらでもある。
大分県の「中津市の三光中、生徒会主導で校則変更 『通学靴は白』に疑問、要望まとめる」(大分合同新聞、2021年9月17日)と報道された事案では、生徒会の尽力により、「白を基調としたひも付きの運動靴」から、「金、銀、蛍光色を除く1色を基調とした運動靴」へと選択肢が増えたという。

生徒会は「今年1月に原案を作り、2月にアンケートを実施して生徒の意見を集約した。認めてもらう足掛かりにしようと、生徒に呼び掛けてあいさつや清掃活動の強化も図った上で、5月に平松校長に要望書を提出。努力が実り、7月から規定が変更された」とある。靴の色を増やすことに約半年が費やされている

各地の学校では、生徒会が中心となって教師との議論を重ね、ときには保護者や地域住民、地元企業の声まで聞き取りながら、半年から1年をかけて、校則見直しが実践される。こうして、服装や頭髪規定のほんの一項目が緩和される。
まだ緩和されただけよかった。その影には同じようにコストをかけても、結局はほとんど何も実らなかったケースもある。それらの事案が報道されることはない。