2022.04.02
# 戦争 # ロシア

海外では「コストコ・ドローン」と呼ばれていた!「ヤマダ電機のドローン」とウクライナ紛争の関係について、もう一度考えよう

小倉 健一 プロフィール

「武器庫」と呼んでいいのか?

次に、私が指摘したのが「ウクライナの模型屋が大量にヤマダ電機で売っているようなドローンを寄付し、前線の兵士がこれでロシア軍への砲撃を誘導している。この事態が良いのか悪いのかはさておき、日本各地のヤマダ電機がもはや対プーチンの武器庫になっている現実があるということ」だった。

「武器庫」という表現に驚いた人が多いようだが、実態をそのまま表しただけである。

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ヤマダ電機でもコストコでも買えるドローンが、事実、ウクライナの対ロシア戦の切り札的武器になっているのである。

この表現の念頭にあったのは、F・ルーズベルト米国大統領の「アメリカは、民主主義の兵器廠(へいきしょう)」という政策だ。兵器廠とは、軍隊において、兵器調達、修理、補給などを担当している機関のことだ。ちなみに、ヤマダ電機には、海外へのサポートは行っていないものの、「大型家電 出張修理サービス」があるなど修理については手厚いサポートを行なっている。

ブリタニカ国際大百科事典には、「民主主義の兵器廠」の意味がこう記載してある。

「F.ルーズベルトが 1940年にアメリカの外交政策の一つの基調として述べた言葉。アメリカは第2次世界大戦の初めに中立を宣言したものの,戦局が進展するに伴い民主主義擁護を名目に連合国側に対して軍需物資の供給を行なった。ルーズベルト大統領は3選後の40年12月17日に記者会見で武器貸与法の構想を示し,連合国側への援助を一層強化することを明らかにして,同月29日ラジオを通じて,外交政策の基調はアメリカを戦争から守ると同時に「民主主義の兵器廠」たらしめることにあると言明した」

 

現在のアメリカも、ロシアに対して直接攻撃をしたりはしないまでも、ウクライナに軍需物資の供給を行う点では似ているところがある。ドローンの供給も行なっている。

ここまできて、読者の疑問は晴れただろうか。

今や、ドローン戦争とも呼ぶべき、新しい戦争が始まり、ロシア兵は大苦戦を強いられている。

家電量販店に売られているようなドローンは、十分に、対ロシア戦線の武器となっているのである。

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