症状以上に辛い、無自覚に投下される「言葉」

軽度なアトピーで、他人に何か言われてもノーメイクで好きな服装で暮らせるライターの私は、企業に勤める人、他の重い病気の人たちに比べれば、投げつけられる言葉によるダメージも頻度も全然たいしたことないだろう。先日も、ママ友にこんな体験談を聞いて心が痛くなった。

交通事故の被害によって後頭部にかなり大きな傷が残り、傷跡には今も髪が生えないという2児の母のAさん(34歳)。

photo/iStock

「上の子の小学校の入学式に、スーツとベレー帽で出ました。ウイッグをつけたかったんですが、抱っこで同伴した2歳の下の子が私の髪を引っ張って遊ぶので、ずれちゃったらイヤだなと。そんな私を見て、クラスのママの一部が『入学式は国旗を置いて君が代も歌うフォーマルな場なのに、帽子をかぶったままって非常識』とヒソヒソ。

事情を知っているママ友が猛烈に抗議してくれて、噂をしていたママに『ごめんなさいね、知らなかったから。でも母親なんだから傷なんか誰も気にしないのに~』と軽い調子で謝られたのに絶句。思わず『これでも気にならないですか?』って帽子を脱いで傷を見せたら、真っ青になって謝ってくれたけど『ここまでしないとダメなのか』とか『どうせ、今度は傷のことを話して盛り上がっているんだろう』とか余計にモヤモヤ。あのときの『傷なんか誰も気にしない(気にするな)』の一言は、一生忘れないと思います」

-AD-

事情を「知らなかった」なら、「非常識」は心の中でつぶやいて距離を置けばいい。本人が気にしている傷をよく知りもしないで「誰も気にしない」と言い切るその「軽さ」が、相手をよけい傷つけることに思い至らない想像力の欠如を恥じてほしいと感じるのは、私だけじゃないはずだ。

抗がん剤治療など投薬の副作用が出ている方、術後の後遺症がある方、生まれ持っての疾患がある方……、私たちの社会にはさまざまな人が共存している。