2022.04.05
# 韓国

「半分は敵」状態の韓国・新政権、誕生前から早くも「苦悩」が深いワケ

両極化現象がもたらしたもの

“モンスター”級の支持率を記録した文大統領

42%。世論調査会社の韓国ギャラップが1日付で発表した文在寅大統領の今年1~3月期・平均支持率だ。3月9日には大統領選が終わり、文氏の任期は残り1ヵ月余しかない。この数値が如何に“モンスター”であるかは、同時期の歴代大統領の数値を見ても明らかだ。盧泰愚12%、金泳三6%、金大中24%、盧武鉉27%、李明博24%(同社調べ)となっている。朴槿恵前大統領に至っては、当時、弾劾で職務停止中だったため、この時期は支持率すら存在していない。

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韓国与党関係者は、文政権が高い支持率を保っている理由について「日陰にいた人々に光を当てた結果だ」と語る。文在寅大統領は2017年5月10日の就任宣誓式で「大統領から新しくなります」と宣言。翌11日に大統領府で行われた会議で、上着を脱ぐのを手伝おうとした職員を押しとどめ、午後には幹部たちと紙コップに入れたコーヒーを片手にワイシャツ姿で大統領府内を散策。庶民に寄り添う姿勢を大いにアピールした。

政策も、就任後の最重要政策に雇用機会創出を掲げ、執務室に失業率などを示す掲示板を持ち込んだ。就任前には時給6500ウォン(約650円)程度だった最低賃金を、任期中に10000ウォンまで引き上げると公約。公約達成はならなかったが、今年の最低賃金は9000ウォンを超える見通しだ。こうした「日が当たらなかった人々への手厚い政策と姿勢」が、文氏の支持率を押し上げたと言える。

韓国でのべ40年以上暮らし、「外務省最高の朝鮮半島専門家」と評された町田貢元駐韓公使は「文在寅政権は、進歩(革新)を熱狂的に支持する岩盤層を生み出した」と語る。そして、その人気の秘密の一端として、最近、ソウルの知人からこんな話を教えてもらったという。

この知人の息子は起業希望者で、区役所に出かけた。文政権が起業を奨励し、数十人単位で講習会を開いているかからだ。驚かされたのは、講習費が無料だったことに加え、手当まで支給されたことだったという。町田氏は「バラマキ政策だが、これで文政権が好きになった人も結構いる」と語る。

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