資本主義と共産主義の融合
例えば、1917年のロシア革命、1950年の朝鮮戦争開始の頃と比べれば、現在の資本主義と共産主義は、お互いの長所を取り入れて「融和」している。
初期の資本主義はまさに「弱肉強食」であり、「強者が弱者を食い殺す」野蛮な世界であったともいえよう。その結果、弱者が結束して「共産主義」を旗印に「権力者(金持ち)」に反抗することになった。
この問題点は、資本主義国家において意識されることとなり、例えば英国では「ゆりかごから墓場まで」と呼ばれる高い水準の福祉が提供された。また、その他の資本主義先進国でも、共産主義国家の国民がうらやむ高福祉が提供されている。
一方、共産主義国家でも前述の中国はもちろん、ロシアにおいても(共産主義そのものが排除され)資本主義による市場経済が本格的に導入された。その他ベトナムを始めとする共産主義国家においても、市場経済を導入することが当然となり、かなり資本主義化している。
だからこそ、第1次冷戦終結後、東西は融和し「世界貿易」によって世界が繁栄してきたといえる。
つまり、資本主義と共産主義は第1次冷戦時のように「お互いに相容れないイデオロギー」とは言い切れないから、第2次冷戦の主要なテーマでは無いということだ。
第1次・第2次世界大戦後においては、世界の中心であった欧州が戦乱で荒れ果てた上に欧米以外の国々の経済が非常に小規模であったため、米国が世界のGDPのおおよそ半分を生み出していたと言われる。手元に正確なデータは無いが、状況からかなり信憑性の高い話だと考えられる。
結局、米国は歴史的観点から言えば、世界の覇権国の座から滑り落ち、衰えいく国であるということを認識すべきだと思う。