2022.04.07
# アメリカ

ウクライナがとどめか、ベトナム、イラク等の教訓を生かさぬ米国

ソ連崩壊後、一人勝ちと勘違い
大原 浩 プロフィール

米国の国力は相対的に弱まっている

結局、バイデン政権が稚拙な「経済制裁」を行っても、(長期的には)ブーメランで返ってくるだけである。実際、小森義久氏の「繰り返される失言、言語コントロールができない超大国リーダーの危険性」4ページ目で述べられているように、いくらバイデン氏やホワイトハウスが「公式見解」を述べても、バイデン氏の「失言」で明らかなように、彼自身が「経済制裁の効果が薄い」ということをよくわかっているはずだ。

確かに、世界のGDPの半分を米国が占めている時代であれば、「経済制裁」は大きな効果を上げたかもしれない。しかし、現在の米国は世界のGDPの4分の1を占めるにすぎず、「非米国」の方が圧倒的に大きいのだ。

さらに象徴的なのが1971年のニクソン・ショック(金ドル交換停止)である。それまでは、世界中の金を吸い上げて事実上の金本位制を維持していた米国が、金の流出に耐えられなくなった。

それ以来、ドルの価値は(金に対して)低下し続け、今や世界最大の債務国でもある。第1次世界大戦において、米国が英仏に多額の貸し付けを行っていた時代とは様変わりだ。

ドルの信用力の問題については昨年3月13日公開「最強通貨・ドル、じつは間もなく『紙屑』になるかもしれないワケ…!」、同4月20日「『ドルが紙くずになるかもしれない』時代に考えるべき、これからの金の価値」などを参照いただきたい。

 

そして、ロシアの経済規模は小さいとは言え、世界GDPランキング11位である。さらに、ロシアの味方をすると考えられる共産主義中国のGDPは世界第2位だ。

この状況の中で「ロシアを経済制裁でやっつける」などというのは、自らの立場を理解していない愚かな行為のように思える。

国力の衰えを顧みずに「激烈な経済制裁」という形で、米国がジャイアンのように拳を振り上げたことが、世界の混乱を招いているのではないだろうか。

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