2022.04.06
# 不動産

住宅ローン「固定金利型」の見えないリスク…後から返済額が増える可能性も!

理解していない借り手が増加中
山下 和之 プロフィール

メガバンクの金利を比較してみると…

図表3をご覧いただきたい。これは、メガバンク3行にりそな銀行、三井住友信託銀行を加えた大手5行の22年3月の固定金利期間選択型の10年固定の金利などを示している。

図表3:固定金利期間選択型の10年固定の金利と10年後の金利変化(各行ホームページから著者作成)
 

たとえば、みずほ銀行は基準金利が2.95%で、当初10年間はそこから2.10%引き下げて最優遇金利は0.85%になっている。みずほ銀行では、この金利引下げ幅が11年目以降も変わらないので、仮に固定期間10年が終わった時点で、現在とまったく同じ基準金利の2.95%だったとすれば、そこから2.10%引いた0.85%が適用され、当初と返済額は変わらないことになる。

10年後に変動金利型に切り替えた場合も、やはり現在の基準金利と変わらなければ、0.375%で変動金利型ローンを利用できることになる。

しかし、固定期間終了後も金利引下げ幅が変わらないのは、大手5行ではみずほ銀行だけで、他の4行は引下げ幅が縮小して実質的な金利引上げになってしまう。引下げ幅が変わらないみずほ銀行は例外的なケースであり、通常は金利下げ幅が小さくなり、適用金利が上がると考えておく必要があるのだ。

たとえば、三菱UFJ銀行の場合、当初10年間の金利引下げ幅は2.65%だが、11年目以降の金利引下げ幅は1.50%に縮小される。つまり、10年後の金利が現在とまったく変わらない水準だったとしても、適用金利は「2.65-1.50=1.15%」に上がってしまうことになる。当初10年間の0.89%が、11年目からは2.04%に上がる。

仮に借入額5000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしだったとすると、当初10年間の返済額は13万8594円だが、11年目からは15万8676万円に増える。当初に比べて14.5%の増額だ。

これは、金利がまったく変わらなかったときだから、10年間で金利が上がっていると、返済額はもっと増えてしまう。

変動金利型には“25%ルール”があって、5年後に返済額が増える場合でも増額幅を25%までに抑えることになっているが、固定金利期間選択型にはそれがない。最悪の場合、3割、4割と増加しても文句はいえない。

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