2022.04.13
報酬は数億円…企業の不祥事増加で乱立する、「第三者委員会」ビジネスの実態
「濡れ手に粟」状態に…報酬はなんと10億円
企業で不正や不祥事が起きると「第三者委員会」が設置されることが多くなっている。
弁護士や会計士が法令違反の有無や原因を調べる組織だが、なかには高額な報酬を目当てに動く「第三者委員会マフィア」と呼ばれる公認会計士事務所があることをご存じだろうか。
「悪質な違反がない会計の不備であっても、第三者委員会を立ち上げる事例が多く見られます。第三者委員会に対しては巨額の報酬が支払われるため、これ自体がビジネスになっているのです」(金融記者)

ネットワーク機器製造を手掛けるサクサホールディングスのケースを見てみよう。同社では'20年6月に会計上の不備が発覚し、第三者委員会を設けて調査を行った。
結果、過去5期分の決算で利益を低く抑える会計処理が見つかり、営業利益の額は計5億3900万円増える形で修正された。
400ページ超の調査報告書を作った第三者委員会への報酬は、10億円にのぼった。そのうえ、会社の財務諸表をチェックする監査法人には、過去5年分の監査をやり直す報酬として9億円が支払われた。
会計の不備を見逃してきた責任者であるはずの監査法人が罰せられるどころか、「濡れ手で粟」の状態なのだ。このような業界の慣習には批判の声も多い。鋭いメスが入る日が近いかもしれない。
『週刊現代』2022年4月16日号より