2021年3月に発表された、『職場のハラスメントに関する実態調査』(厚生労働省委託事業/東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)では、「パワハラ、セクハラおよび顧客等からの著しい迷惑行為について、過去3年間での勤務先での経験有無」について8000人の労働者に質問している。それらのハラスメントを一度以上経験した者の割合は、パワハラが31.4%、顧客等からの著しい迷惑行為が15.0%、セクハラが10.2%であり、4年前の調査より、ほぼ横ばいの状態が続いているとあった。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんも「セクハラ・パワハラから派生した浮気調査依頼は多いです」と語る。彼女は離婚調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。「仕事がデキる上司と不倫関係になるケースが増えています。社会的に高い地位にある人は、高圧的な物言いをする人が多く、そういう人に魅力を感じる人は一定数います」と言う。入り口はハラスメントでも、むしろそこに惹かれてしまう人もいるというのだ。しかしそれから家庭が壊れてしまったら……。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持つ女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
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パワハラ社長を「男らしくて好き」

今回の依頼者は、佑子さん(40歳)です。娘(10歳)が小学校に上がったことを機に、ある美容関連メーカーの事務として再就職。うるんだような瞳が美しいロングヘアの女性です。このタイプは、男性から圧倒的に支持され、女性からは敬遠されることが多いです。
「私、ホントに友達がいないんです。山村さん、私を助けてください」と大きな瞳に涙をたたえながら言っており、「力になりたい」と強く思いました。

佑子さんを悩ましているのは、勤務先の社長(50歳)との不倫。
「再就職して4年になります。勤め始めて1年目から、社長と不倫関係が始まりました。社長はいわゆるパワハラ体質で、デキない社員を徹底的に叱り飛ばす。そうなのですが、絶対に見捨てない。時代遅れな言葉かもしれませんが、“男気”があるタイプなのです。私もだいぶ叱られましたが、今ではどこに行っても仕事がデキるほどの能力がついています。そんな社長と男女の関係になったのは、私が大きなミスをした時。叱られて泣いてしまった後に、食事に誘われて、そのまま関係を持ちました

佑子さんが社長と行ったのは、とある料亭。食事が終わった後、襖を開けると、真っ赤な布団が敷いてあったと言います。
「社長はかなり強引に私に触れてきたんです。私は29歳で結婚して以来7年間、主人以外の男性と関係を持ったことがなかったのです。強引に触れられるうちに、社長を受け入れてしまったのです」

食事を誘った段階で最初から社長はそのつもりだったということなのだが、佑子さんはそのまま…Photo by iStock