2022.04.13

プーチンの侵攻で「食糧危機」が現実のものに…そのウラで「大儲け」する国の名前

食糧安全保障の重要性が明らかに

ロシアによるウクライナ侵攻によって、食糧危機が発生する懸念が高まっている。食糧というのは原油と並んで対外交渉の材料であり、使い方によっては強力な兵器(ウェポン)にもなり得る。世界の穀物市場は、穀物メジャーと呼ばれる米国企業が支配力を持っており、実は米国の世界戦略と密接に関係している。

 

中東では深刻な小麦不足が発生

米農務省は2022年4月8日、2021から2022年にかけての小麦在庫(全世界)は約2億7840万トンと、2019年から2020年との比較で約1840万トン減少する見通しを明らかにした。3月時点の見通しは2億8150万トンだったので、1カ月で在庫の見通しが310万トン減った計算になる。

小麦の在庫が減っているのは、ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアとウクライナの小麦輸出が滞っており、各国が在庫を取り崩したことが要因である。ロシアとウクライナは小麦の有力な生産地として知られており、とりわけ輸出に関してはロシアが1位、ウクライナ5位と両国だけで世界の3割を占める。

〔PHOTO〕iStock

ウクライナは戦争によって国土が荒廃しており、今年の作付けは絶望的な状況と言われる。一方でロシアは戦争の当事者であり、西側各国が経済制裁を科しているため、ロシアからの輸出が途絶える可能性が否定できない。ロシア産あるいはウクライナ産の小麦を多く輸入しているのは中東やアフリカ各国だが、経済的に苦しい国も多く、他地域からの買い付けもままならない。

日産自動車のカルロス・ゴーン被告の逃亡先として知られるレバノンは、このところ経済的な苦境が続いていることに加え、首都ベイルートで大規模な爆発事故があり、国内最大の穀物貯蔵庫が破壊されるという不運が重なっている。在庫を確保する手段がない中で、今回の事態を迎えており、すでに店頭から食品類がなくなりつつあると言われる。

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