2022.04.14
# エンタメ

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』に、3人のヒロインが必要だった「深い意味」

かたちを変えながら、受け継がれたもの

朝ドラで初めて三代にわたる100年の物語を紡いだ『カムカムエヴリバディ』(以下『カムカム』)は視聴者を感動の渦に巻き込んで幕を閉じた。このドラマについては既に多くのことが語られているが、ここでは、この物語になぜ三代のヒロインが必要だったのかを改めて読み解いてみたい。

物語が動いた、50回目の終戦記念日

脚本を担当した藤本有紀の圧倒的な上手さが光るドラマだったが、特に終盤の怒涛の伏線大回収には目をみはるものがあった。その起点となったのが、第97話と98話(3月18日・21日放送)だったと思う。

二番目のヒロイン・大月るい(深津絵里)は、伯父の算太(濱田岳)の死をきっかけに数十年ぶりに家族とともに岡山に戻る。そこでるいと三番目のヒロインである娘のひなた(川栄李奈)は、50回目の終戦記念日に不思議な体験をする。

大月るい役の深津絵里[Photo by gettyimages]
 

かつてるいの母で最初のヒロイン・安子(上白石萌音)と父・稔(松村北斗)が将来の平和を願った神社で、るいの隣に終戦の年に戦死した稔が現れ、「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも、自由に聴ける。自由に演奏できる。るい、お前はそんな世界を生きとるよ」と語るのだ。そしてるいはアメリカに安子を探しに行くことを決意する。

それを聞いた夫の錠一郎(オダギリジョー)は、るいをアメリカに連れていくために、一度はあきらめたジャズの世界に、トランペットではなくピアノ奏者として戻ることをかつての盟友・トミー北沢(早乙女太一)に告げる。

一方ひなたの前には、かつて祖父母や母が耳を傾けたラジオ英語会話の講師で前年に亡くなったはずの平川唯一(さだまさし)が現れ、英語の勉強が続かないひなたに対して、急がず焦らず毎日続けることを説くのである。

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