意外に多い年収1000万円超、日本の大企業では男性従業員の3割

公開数字で推計を行ってみたら
野口 悠紀雄 プロフィール

推計方法

図表2を計算した基本的な考えは次のようなものである。

例えば、平均年収が700万円の会社を考える。1000万円は、700万円の1.43倍だ。そこで、元の分布で平均値の1.43倍以上の階層にいる人が全体の何%かを計算する。そしてこれが、平均年収700万円の会社における1000万円以上の人の比率だと考えるのである。

実際には、計算の便宜のため、以上の手続きを逆向きに辿ることとし、つぎのようにして計算した。

まず、民間給与実態調査のデータを用いて、男性の年収階層別の人員比と、その階級以上の累積人員比率(その階層以上の層の総人員の、男性総従業員に対する比率)を計算した。

例えば、年収600万~700万円層には、男性総従業員の9.17%がいる。そして、この層以上の人員の総数(年収600万円以上の男性従業員の男性総従業員数に対する比率)は、29.66%だ。

 

ところで、600万円とは、男性従業員の年収の平均値532万円の1.128倍だ。そこで、1000万円が男性平均値の1.128倍となるような分布を考える。これは平均値が1000/1.128=886.6万円である分布だ。この会社の男女平均の給与平均は、全体の比率から721万円と推計される。

そして、この分布では、年収1000万円以上の男性の比率は全体の29.66%であると結論されることになる。このことが、図表2に示されている値の意味だ。

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