ウクライナ紛争は米国にとって21世紀の「ベトナム戦争」となるか

世界は必ずしも米国を支持していない

意見の多様性が必要

「ウクライナ紛争」に関しては、色々な議論が展開されている。それぞれの立場でそれぞれの考えを主張するのは民主主義において望ましいことだが、「一方向」の意見だけが勢力を得て他の意見を排除しようとする流れは、民主主義にとっての危機である。また、4月1日公開「いつの間にか大政翼賛会が形成されてないか―恐ろしい戦時体制ムード」とも感じる。

河瀬直美氏  by Gettyimages

その点で、「『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である」という言葉には考えさせられるものがある。J-CASTニュースの「ロシア言及で議論呼んだ東大入学式の河瀬直美氏 実際は何を語った?祝辞全容」で、切り取られた言葉だけではなく、「全文」についてぜひ考えていただきたい。

さて、読者のほとんどは「戦争」よりも「平和」を望むはずである。私は、憲法第9条改正、(自衛のための)日本の核保有(共有)、防衛費GDP2%達成を支持しているが、それは「平和な日本」を守りたいからである。

だから、ウクライナ紛争を考える時には、「平和な日本」をどのように守るかが重要な視点となる。

まず、認識すべきなのは、「ウクライナ紛争」は「脆弱なウクライナと強大なロシアとの戦い」という図式だけではないということである。

3月29日公開「まさかRIC=露印中が大同団結?『第2次冷戦』の世界の本音とは」で述べた、「西欧諸国」と「非西欧諸国」との間の「第2次冷戦」の一部であると考えるべきである。つまり、ウクライナ紛争は、米国を中心とする西欧諸国とロシア・中国に代表される非西欧諸国との間の「代理戦争」だということだ。

2021年6月、米ロ首脳会談  by Gettyimages

歴史上の「代理戦争」と言えば、ベトナム戦争が有名だが、この戦争の背後に控えていた(参加した)大国には「大義」など無かったといえよう。ただのイデオロギーや利害の対立である。

ベトナムの人々は、大国の戦いにおけるチェスの駒としてひどい目にあったのだ。

また、ベトナム戦争当時、米軍基地がある日本は、いつ「米国の敵」から爆撃されてもおかしくないと言われていた。それは今も同じだ。

しかも、現在ロシアとの「平和条約締結交渉」はストップし、(今のところ可能性は高くはないが)北方領土に核ミサイル基地が設置されても不思議ではない。

 

現在、多くの議論が「脆弱なウクライナと強大なロシアとの戦い」の「火の粉がとんでこない傍観者」としてなされている。

しかし、ロシアと平和条約を締結していないのに、岸田政権はバイデン政権に追従して「電光石火」のごとく、中央銀行の資産凍結を始めとする強烈な経済制裁を加えた。したがって、「日本の安全保障(平和)」に重大な危機が迫っている。つまり、日本はウクライナ紛争(第2次冷戦)の明らかな当事者なのだ。

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