「SNSはやっていません」

そもそも、江口さんはSNSもほとんど見ないという。

「SNSはやっていません。悪意ばかりが目につくので、意識的に見ないようにしています。もちろんさまざまな側面があり、上手に利用しビジネスにつなげている人もいるし、自己表現の場として使っている人もいます。100パーセント、スマホのせいだと言っているわけではありませんが、スマホが普及したことで、面と向かってのコミュニケーションは減っているとは感じています」

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江口さんは、19歳の時に、柄本明さんらが所属する劇団東京乾電池に入団。リアルに観客と向き合う舞台で、長く活躍してきた江口さんはそう警鐘を鳴らす。

そんな江口さんに、麻理鈴にとっての峰岸のような存在はいるのだろうか。

「いますよ、先生とか、俳優の先輩とか。たくさんの言葉は交わさなくても、背中を追うというか、姿をみて学ぶことは多いですよね」

ドラマにCMに映画にと、ここ最近の江口さんの八面六臂の活躍ぶりは誰もが知るところだ。江口さんの姿を、テレビで見ない日はないといっても大げさではない。「いい作品に多く出ていらして、成功していらっしゃいますね」と言うと、「仕事がたくさんあることが、私が求める私の姿だと思われるのはとても嫌です」とスパッと返された。「他人から成功していると思われたい」という承認欲求を持つ人は少なくないが、江口さんにそんな欲求は皆無であり、そもそもたくさんの仕事に恵まれることが、江口さんにとっての成功ではないということだ。

撮影/山本倫子