ずっとポジティブでいるなんて無理ですよ

ではこれだけ多忙な江口さんの「理想の働き方」とはどのようなものなのか。

「撮影が朝8時開始だとしたら、夕方5時には終わりたいなという気持ちはありますね。朝も昼も晩も現場でご飯を食べるのは少し寂しいという思いがあって……」

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峰岸もきっと同じことを言うのではないだろうかと、ふと思った。江口さんも峰岸も、自分の仕事に真摯に取り組み、同時に、ぶれることなく、自分の人生をしっかりと歩んでいる。しかし、ふと新たな疑問が頭をもたげてきた。江口さんは、うまくいかないことにイライラしたり腐ったりすることはないのだろうか。

「峰岸も、日によっては自分を卑下することもあると思うんです。麻理鈴と出会ったことで峰岸の中の何かが目覚めたとは感じていますが、とはいえ、ずっとポジティブでいるなんて無理ですよ(笑)。私も落ち込むことはしょっちゅう。仕事がうまくいかなかった時もそうですし。

私は、そんな時にはお風呂に入ります。単純に寒い日に体があたたまってうれしいなとか、日常の些細なことで幸せを感じられるって、それ自体がとても幸せなことですよね。仕事がうまくいかなかった時は、次の現場でより良い仕事をすること、それしかないと思っています。いい仕事ができれば、悔しい思いをしたことが良かったことに思えたりもするじゃないですか」

撮影/山本倫子