「モラハラは夫に自覚がなく、“妻のためを思って”の言動であることが多い。夫は加害者だと思っていないので、妻は逃げ場をなくし、浮気相手にハマっていくのです」
こう語るのは、「リッツ横浜探偵社」代表の山村佳子さん。
多くの浮気調査を依頼されるが、モラルハラスメントが発端となった妻の浮気も少なくないという。
今回相談してきた依頼者は45歳の男性だ。その詳細をお伝えする前編では、男性がここ数カ月家出のようになっている妻に対してどのような距離感を持ってきたのかをお伝えした。「妻は“デキない後輩”」「もうすこし妻に厳しく指導していたら、“真人間”になっていたのでしょうか」と、妻に対して「自分が上」という立場にあったことがよく伝わってきた。
ではその妻はどんな行動をとっていたのか。後編で調査の詳細とその後をお伝えする。
都内近郊のビジネスホテルに
泰弘さん(仮名・45歳)は、輸送関連会社に勤務する会社員。要職に就いており、BtoB向けの講演会では講師を務めているほどの専門家です。地政学などにも詳しく、国内と海外の2つの難関大学を卒業しています。そんな泰弘さん、ここ数カ月間、妻(40歳)が半分家出状態になっていることに悩み、私たちに調査を依頼してきたのです。
妻はどこにいるかわからないので、17時の終業時間を待ち、妻の勤務先前で待機しました。待つこと10分、愛らしい容姿の妻が女性の同僚とともに会社から出てきたのです。
泰弘さんの話では、口数が少ないおしとやかな女性だと思っていましたが、とても明るくよく笑うタイプで、同僚も楽しそうです。
駅で同僚と別れると、自宅方面の電車に乗ります。17時30分に自宅に入り、1時間程度で出てきました。
そこから向かったのは、都内近郊のビジネスホテル。ウェブサイトを見ると、1泊4000円で朝ごはんもついているという格安ホテルの、月ぎめプランを使用していることがわかりました。このホテルは洗濯機や大浴場もあり、長期ステイのビジネスマンが多いのです。
妻が入った部屋番号をチェックし、同じフロアに私たちもチェックイン。妻の動向を見守ります。
