職場や住まいの環境の変化や新しい人との出会いなど、何かと刺激が多い新生活シーズンを迎え、その環境になじむまでの疲れやストレスなどの影響で、「ぐっすり眠れない」「朝すっきり起きられない」という人も少なくないのではないでしょうか。そんな悪循環を避けるため、これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきた快眠セラピストの三橋美穂さんに、快眠のために必要な生活習慣のポイントを伺いました。

寝つきが悪いと睡眠は総崩れする

 

――睡眠に関する悩みは、「なかなか眠れない」「寝てもすぐに目が覚める」「朝すっきり起きられない」などさまざまありますが、その原因と解消法はそれぞれあるものなのでしょうか。

「夜中に何度も目が覚めたり、朝起きられなかったり、その悩みに共通する要因は『寝つきの悪さ』。なぜなら、寝つきが悪いと睡眠は総崩れになってしまうからです。ですので、まずは寝つきを良くする(働き盛りであれば20分以内、シニアであれば30分以内が目安)コツを実践していくことが大事です。

その1つ目は、日光をしっかり浴びること。リモートワークが増えたことで、外に出る時間が短くなり、日の光を浴びる時間が少なくなっている方も多いと思いますが、太陽光が不足すると、睡眠ホルモンのメラトニンの夜間分泌量が減り、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりを引き起こしてしまうんです。太陽光を浴びると分泌が増えるセロトニンは、気持ちを明るくしたり、やる気を高めたりする効果もあり、うつ病の人はセロトニンが少ないとも言われています。そのセロトニンは、暗くなると睡眠ホルモンのメラトニンに変化していくので、日中にセロトニンがしっかり分泌されていないとメラトニンも正しく分泌されません。そのため、昼間に浴びる太陽光は、昼の元気と夜の熟睡のもと、つまり人間のエネルギーの元とも言えるのです。

このお話をすると、『日に当たっていないことが、睡眠にそんなに影響があるとは!?』 と驚かれる方が多くいらっしゃるのですが、質の良い睡眠をとるには、午前中に合計30分以上、日光を浴びることをおすすめします。外に出なくても家のベランダでも構いません。室内であれば窓際1メートル以内でも、それなりの光量があるので、毎朝明るい日の光を浴びるようにしましょう」

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室内の照明の明るさ調整も大切

――明るい日の光が大切とのことですが、室内の照明でも気をつけることはありますか?

「室内照明もすごく大事ですよ! 就寝に向けて、部屋を暗くしていくことは必要です。昼も夜もシーリングライト全開で、夜も白い光をずーっと照らしていると、光刺激が強すぎるため、体が入眠準備を始められません。私は日没後はカーテンを閉め、照明をかなり暗くします。

よくお子さんがいらっしゃる家庭で、子どもがなかなか寝ないと言われる方がいますが、その原因の一つは部屋が明るすぎること。子どもの目の水晶体は、大人よりクリアなため、光の影響を強く受けるのです。部屋を暗くしていくと早く眠たくなってくるのでおすすめですよ。今お使いの照明の照度調整が難しい場合は、就寝の1時間前くらいに間接照明やキャンドルなどで過ごしてみるのもいいと思います。暗い方がメラトニンはよく分泌されるので、就寝時の照明はすべて消すようにしてくださいね。豆電球程度の明るさであっても、睡眠に悪影響を与えることが研究で明らかになっていますから」