ドラマも「切り抜き動画」で観る…「倍速視聴派」Z世代の視聴実態

Z世代のコンテンツ視聴 前編
稲田 豊史 プロフィール

「切り抜き動画」はCMの役割を果たす

稲田 最近のコンテンツ視聴について教えてください。

ゆめめ 倍速視聴の次の主流として、Z世代を中心に圧倒的に来ているのが、「切り抜き動画」ですね。私の周囲にも、某アイドルオーディション番組を切り抜きで全部見たという人がたくさんいます。後からまとめて見るには課金しなきゃいけないので。

稲田 切り抜きは基本、勝手にやっている。つまり権利者が許諾していない限りは著作権侵害ですよね。いつ頃から流行りはじめたんですか?

ゆめめ 私の体感では、昨年夏くらいからですね。最初はひろゆきさんの動画の切り抜きからはじまって、今ではジャンルがかなり多岐にわたっています。

稲田 なぜここまで、切り抜き動画が流行っているのでしょうか。 

 

ゆめめ 動画を手軽に切り抜きぬけるツールが出てきたのと、それを見られるプラットフォームの存在が大きいですね。YouTube ショートとTikTokです。切り抜き動画を見る人には2パターンあって、ひとつは、見たらそれで満足してしまう人。もうひとつは、切り抜き動画がCMの役割を果たしていて、それをきっかけに本編を何らかの方法で見る人。

稲田 CMの役割というのはわかります。知り合いの息子さんが中学生で、YouTubeのファスト映画ばかり見ているそうなんですが、その中で気に入ったものがあると、Netflixで本編を繰り返し何度も観るんですって。もちろんファスト映画は違法です。あとは、アイドルグループのファンが公式動画を切り抜き編集して拡散させる行為が、公式から事実上黙認されているケースもありますよね。

ゆめめ アイドルファンは、自分の「推し」をとにかく世の中に広めたいという熱意がありますよね。拡散の結果として、公式はコストをかけずに良質なファンを獲得できるというメリットもあります。

稲田 それに近いのが、ゲーム実況じゃないですか。楽しそうにゲームをする姿が配信されるわけですから、メーカー側はタダでゲームの魅力をプロモーションしてもらっているようなもの。あれも初期の頃は、勝手にゲーム画面を配信するのは著作権上どうなのかという議論がありましたが、今ではメーカーが黙認、もしくはガイドライン付きで容認しているケースが多いですよね。

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