2022.04.20
# 宇宙科学

NASA新型ロケットに搭載、「世界最小」探査機に込められた日本人研究者たちの“夢”

宇宙探査の「新時代」

人類が最後に月面に降り立ったのは、1972年のアポロ17号。それからちょうど50年となる2022年、NASAが開発した超巨大ロケットSLSの初号機が打ち上げられます。再び人類を月面に送り、持続的な有人月探査を目指すアルテミス計画の第一弾ミッション、アルテミス1です。搭載された欧米開発の有人宇宙船「オリオン」のテスト飛行が主目的ですが、「コズミックフロント」が注目したのは、SLSに搭載された超小型衛星です。

NHK提供/クリーンルームの超小型衛星
NASA提供/アポロの時代から使われている発射台にそびえる超巨大ロケットSLS(2022年4月)

衛星と聞いて、宇宙ビジネスの話かなと思った方もいらっしゃるかも知れません。実際、50kg以下の衛星(超小型衛星)は年400機以上打ち上げられているとされ、教育や実験だけではなく実用で使われるものも多いといいます。ただし、そのほとんどは地球を周回する衛星です。

一方、今回注目するのは、地球重力圏の外を飛行する衛星です。太陽系の謎を解き明かすための探査の道具として期待されています。実は、「巨額の予算がかけられる国家プロジェクトとして行う以外、探査を行うすべはない」という従来の常識は見直される時期に来ているのです。今後急増するはずの、超小型衛星を使った“等身大の探査”の現場に迫りました。(コズミックフロント取材班

 

続々! 新型ロケットの打ち上げ

アメリカのバルカン、ニューグレン、スターシップ。ヨーロッパのアリアン6。そして日本のH3。初号機の打ち上げを控えている新型ロケットが目白押しです。中でもNASAが威信をかけて取り組んでいるのが、超大型ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)です。2021年10月に組み立てを終了し、2022年4月の原稿執筆時点では、ロケットを発射台に運び、本番さながらにタンクに燃料を充填して打ち上げ10秒前までカウントダウンを行う通称“ウエット・ドレス・リハーサル”の途中です。

NASA提供/画面奥、オレンジ色のロケットがSLS。手前の白いロケットはスペースX社のファルコン9。アポロ計画のために作られた発射台39Aと39Bの両方が使用されている珍しい光景(ケネディ宇宙センター)
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SLSには、6Uキューブサットと呼ばれる、世界最小クラスの探査機10機が搭載されています。サイズは、11.3cm x 23.9cm x 36.6cmで重さは14kg以下と決められています。そして、10機中の2機は日本の研究機関で開発されました。

NASA提供/SLSには10機の超小型衛星が搭載されている(写真は9機、この後1機が追加された)

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