2022.04.20

佐々木朗希「消える魔球」のスゴさ秘密…決め球とわかっていても「打てない」ワケ

すでに世界でトップクラス

4月10日のオリックス戦で完全試合を成し遂げた佐々木朗希投手。プロ野球新記録となる13連続奪三振に、タイ記録の合計19奪三振。この2つの数字に注目が集まったが、当日のデータで、その凄さが改めて浮き彫りになった。

そんな佐々木投手はなぜそんな偉業を成し遂げられたのか…?その理由を前編記事『佐々木朗希「完全試合」の衝撃…!「ヤバすぎる球」に白旗を上げざるを得なかった』で分析した。すでにメジャーでも通用する力のある佐々木投手。ではメジャーで完全試合をどんな球種を投げられるようになればよいのか。プロたちが分析した。

打てない理由は3つ

この直球と並び、鮮烈な印象を与えたのが、最速149kmで大きく落ちるフォークボールだ。

オリックス戦で、佐々木が投じたフォークは36球。そのうち、21球で空振りを奪っている。

佐々木の投球は、約95%がストレートかフォーク。決め球には、高確率でフォークが来る。そうわかっていても、なぜ打てないのか。

通常、打者が直球と変化球を見極めるのには、3つのタイミングがある。

まず(1)投手がボールを離す瞬間だ。通常、変化球を投げる際は、制球への配慮から直球より腕の振りが遅くなったり、握りの違いから球を離す位置が変わったりする。

佐々木朗希のフォークはなぜ打てないのか
 

だが、オリックスの吉田は「佐々木の真っすぐとフォークの腕の振りの違いがわからなかった」と振り返っている。

「実際、佐々木投手のフォークは腕の振りも直球と同じなら、リリースのタイミングも同じ。ボールの握りだけを変えているので、打者目線から区別はつかないのです」(野球動作解析の第一人者で筑波大学准教授の川村卓氏)

次に、(2)ホームベースから7mほど手前の位置に球が到達する瞬間だ。

通常、この位置に到達した変化球は、直球に比べて減速したり曲がったりして異なる軌道を描き始めるため、打者の判断の基準になりやすい。

裏を返せば、ここを直球と近い軌道で通過する変化球があると、打者は球種の見極めが極めて困難になる。

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