2022.04.23

アルツハイマー病は「治らない病気」ではなくなる…日本の最新薬でわかったスゴい治療法

週刊現代 プロフィール

ちなみに、最近までこの抗アミロイドβ薬のひとつとして注目を集めていたのが、同じくエーザイとバイオジェンが共同開発する「アデュカヌマブ」だった。

だが、この薬はアメリカでの臨床試験の段階で脳浮腫や脳出血の副作用が確認され、いまや実用化の雲行きが怪しくなっている。昨年末には日本でも承認が先送りになり、米医療保険当局は4月7日に「高齢者向けの公的保険を原則として認めない」と発表したばかりだ。

その点、レカネマブはアデュカヌマブより圧倒的に副作用が少ないというメリットがある。

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さらに、アデュカヌマブが外国企業であるバイオジェン主導の新薬なのに対し、レカネマブは国内企業のエーザイが主導しているという点も見逃せない。

「一般的に新薬は、認可されるまでに第3段階までの臨床試験をパスする必要があります。レカネマブは、すでにアメリカで第2相試験(フェーズ2)を突破して第3相試験の最中です。

現時点では、治験者でアデュカヌマブのような副作用を起こしている人はほとんどいません。さらにこの薬が優れているのは、投与を中止したあとも、脳内のアミロイドβが低下した状態を維持できる可能性があることです。

コロナ禍によるスケジュールの遅れはあるはずですが、それでも今年中には承認についての最終的な結果が出ると見られています」(サイエンスライターの緑慎也氏)

加えて、レカネマブは優先的に承認審査を受けることができる「ファスト・トラック」の新薬にも指定されている。アメリカ国内で正式に認可されれば、その流れで日本でも実用化される見込みだ。

特効薬だけではない。世界の研究の最前線に目を向ければ、ワクチンでアルツハイマーを防ぐ研究も進んでいる。

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