2022.04.22
# 不動産

4000万で買った中古住宅のバルコニーが崩落…絶望する夫婦を救った「スゴい制度」

高橋 正典 プロフィール

ちなみに、国土交通省の公表した資料によれば、国内の中古住宅流通量のうち「既存住宅売買瑕疵保険」が適用されているのは8%とされています。しかし、この数字はあくまでも国が把握している中古住宅流通量(約16万戸)を分母としています。日本では、正確な流通量が把握出来ていないため、様々なデータが存在しており、それらの数字をまとめて筆者が推定している流通量は30万〜40万戸です。

そうなると、この「既存住宅売買瑕疵保険」の適用実態は、中古住宅取引の4%程度ということになります。

もちろん、中古住宅は物件ごとの状態に差がありますので、すべての物件に適用できるわけでありません。しかし、山内さんの事例からも分かるように、仮に「既存住宅売買瑕疵保険」に入れなかったとしても、インスペクション(住宅診断)をしたことによって、購入後のリスクを知ることができます。

建物は、メンテナンスをしなければ良好な状態を維持することはできません。しかし反対にメンテナンスをすることで、一般的な建物であっても構造躯体は50年以上持つこともわかっています。

 

「転ばぬ先のインスペクション」

これまで、日本においてはこのインスペクション(住宅診断)も義務化されていませんでした。しかし、昨今の中古住宅流通量の広がりを踏まえて、2018年4月から不動産会社が守るべき「宅地建物取引業法」において、「建物状況調査」という建物の調査制度ができました。

上でご紹介したインスペクション(住宅診断)に比べるとその範囲や目的のレベルは低いですが、不動産会社は、売主や買主と仲介(専門用語では「媒介」)として関わる際に交付する資料において、この「建物状況調査」斡旋の可否等に関する説明が義務化されたのです。

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