「家賃滞納」ではじめて知った…28歳女性が青ざめた「元恋人」のヤバすぎる正体
司法書士として賃貸トラブルに携わっていると、賃貸契約を意外と軽く考えて大きなトラブルに巻き込まれる方も多いなと感じます。地方から上京してきた真美さん(仮称・28)もそのうちの一人でした。
真美さんの契約した賃貸に、居酒屋で出会った恋人の剛士さん(仮称・32)が転がり込む形ではじまった同棲から1年半後、ふたりの間にすれ違いが生じ真美さんと剛士さんは破局。同棲を解消することになりました。
これまで住んでいた部屋には剛士さんがこのまま住み続け、真美さんが出ていくことでふたりは再スタートを切りましたが、その後、真美さんの元に剛士さんの住む賃貸の「家賃滞納」のお知らせが届きます。
驚いた真美さんは、封筒に記載してあった当事務所に問い合わせをしたのち、筆者とともに剛士さんの住む賃貸に向かいました。
【前編】身に覚えのない「督促状」に青ざめた…28歳女性「家賃滞納」のヤバすぎる大誤算
部屋中が「ゴミの山」
平日の昼間でしたが、なんと剛士さんは部屋におり、真美さんからの連絡は無視していたようです。聞けば派遣切りにあい、休職中で家賃を払えていなかったということでした。
このケースで言えば、契約者は真美さんであるものの、剛士さんが占有している以上は、家主からみて訴訟の相手方は真美さんと剛士さんのふたりになります。
剛士さんに身分を証する何かを見せてと言うと「住民票のコピーしかない」と答えます。運転免許は取得していないし、マイナンバーカードもなく、派遣の仕事ではいつも住民票のコピーで代用しているとのことで、それを見せてもらいました。たまたま最後の一枚ということで、そのコピーはもらうことはできず、私は写真を撮らせてもらいました。
次にこれからのことを話し合いました。現在無職ということなので、これ以上ここに居座られたら、真美さんの支払額は加算されてしまうため、溜まったもんじゃありません。しかも室内は荒れ放題。控え目にいっても、ゴミ屋敷です。

コンビニの袋が膝上くらいまで積まれている状態だったので、フローリングは水分で腐っている部分もあるかもしれません。原状回復費用も、当然にして賃借人である真美が負担しなければなりません。ついに真美さんの怒りは、頂点に達しました。
「とにかく1週間以内に退去できるように、この部屋をきれいに片づけて!」
のらりくらりする剛士さんに、真美さんの怒鳴り声でひとまず一歩前進、ふたりの間でも退去の合意が取れて無事に出て行く日取りも決まりました。
これで一安心…と思った真美さんと私でしたが、その後思いもよらない事態が待ち受けていました。