小学5年生の僕がママ代わり!?マンガ「赤ちゃんと僕」に全年代が笑って泣いて夢中になった

子どもの頃、どんな少女マンガを読んでいましたか? クラスの中では、なかよし・りぼん・ちゃお・花とゆめなど派閥が分かれていたり、応募者全員サービスのグッズが欲しくて切手を送ったり、夏の増刊号の怖い話特集がトラウマになったり…。

そんな「懐かしい〜〜!」と思わず身悶えしてしまうような記憶が再び!

現代ビジネス少女マンガ部は第3弾がスタート。「なかよし」「ちゃお」に続き、平成期にマンガ誌「花とゆめ」に連載されていた懐かしの作品をリレー形式で紹介します。

無料試し読みもありますので、ぜひ当時のときめきを思い出してみてください。

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子育てパニック!!

第32回で取り上げるのは、「花とゆめ1991年11号」よりスタートした、「赤ちゃんと僕」。「しゃにむにGO」「ましろのおと」にもファンの多い羅川真里茂さんの作品で、1996年7月から1997年3月まで、テレビ東京系でアニメ化もされた人気作です。

(c)羅川真里茂/白泉社

同じく1991年よりスタートした「花とゆめ」作品を振り返ってみると…。

・メイプル戦記
・東京少年物語
・伯爵カイン
・だからパパには敵わない

「赤ちゃんと僕」は、花とゆめ1991年11号から1997年14号まで連載された、笑いあり涙ありのハートフル・ホームコメディ。小学5年生の榎木拓也(えのき たくや)と、その弟の実(みのる)の関係性を中心に、日常のドタバタが展開されていきます。作品は「赤僕」の愛称で、大人も子どもも感情移入できる作品として今でも多くのファンに愛されています。

あらすじを見てみましょう。

<榎木家にはママがいない。パパと小学生の拓也(たくや)と赤ちゃんの実(みのる)の3人家族。わがままいっぱいの2歳児は泣いてばかりで、お兄ちゃんはもう大変!>

 

最終回の衝撃…

榎木家では、小学5年生の拓也の下に、年の離れた弟・実が誕生。家族は幸せに包まれていましたが、たった2ヶ月後に母・由加子(ゆかこ)は交通事故で命を落としてしまいます。拓也は、父・春美(はるみ)と3人での子育て生活をはじめたのでした。

とはいえ春美もサラリーマンで課長の立場のため、日中は自然と拓也が育児を行います。拓也は、生まれたばかりで泣き止まない実にイライラしたり、なぜクラスメイトと違って自分は放課後に保育園の迎えに行かなければいけないのか…と葛藤を抱えたりします。でも、優しい拓也は、亡くなる前に母から言われた「かわいがってね、お願いよ」という言葉を胸に、自分も甘えたい気持ちを胸にしまいながら、幼い実と向き合っていくのです。

(c)羅川真里茂/白泉社

そして、徐々に「にーちゃあ」(お兄ちゃん)などの言葉を覚え成長していく実に、拓也も自然と愛着を持ち、「自分が守るんだ」という気持ちを強くしていきます。

登場人物はほかにも、クラスでも人気の昭広(あきひろ)のいる「藤井家」、やんちゃなゴンチャンのいる酒屋さん「後藤家」、榎家の向かいに住んでいる「木村家」など、実と同じくらい歳の赤ちゃがいる家庭がたくさん。個性豊かなキャラクターたちのドタバタ劇を見ているだけで、読者は自然と笑顔になれるのです。

(c)羅川真里茂/白泉社

作品の最大の魅力は、ホームコメディ感を良い意味で裏切るような、各エピソードの深さ。たとえば第10話での、うさぎの”さちこ”と、うさぎの着ぐるみを着るお兄さんの悲しい結末。第19話での、老人ホームに送られる直前の、痴呆症のおじいさんとの関わり。そして第41話では、老犬を置き去りにしてまた引き取りにきた飼い主の女性によって「現実を見るのって 案外残酷なのよ」という大人がドキンとするような名台詞も……。当時の読者の皆さんも、それぞれにお気に入りの一話があったのではないでしょうか。

そして、なんといっても、最終話の衝撃です。

朝から、ちょっとしたことで癇癪をおこすなど、機嫌のわるかった実。拓也は実と電車に乗りますが、そこでも泣き止まない実に対して乗客から過激な言葉が浴びせられます。「僕の気持ちなんかわからないくせに」と我慢の限界に達した拓也に追い打ちをかけるように、電車を降りた商店街でも、実は泣き出す事態となって――。

子どものいる生活の一喜一憂と、日常の出来事や人との出会いを通した家族の幸せや、命の大切さを丁寧に描いた本作。きれいごとだけではないリアルな人間模様が、読者の心を動かしていきました。笑って泣いて、最後には「家族っていいよね」と思えるような珠玉のエピソードたち、おうち時間でまた味わってみませんか?

(c)羅川真里茂/白泉社

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