ロシア軍「凶悪ドローン」には大量の日本製品が使われていた

日本はプーチンの補給基地か?
部谷 直亮 プロフィール

また別のOrlan-10で見つかった電子部品からは、設定を“SONY”もしくは“PANAS”と切り替え、ソニーやパナソニック製の一眼レフカメラに交換できるようになっていることも分かっている。日本製カメラを搭載することが前提の機体になっていることがわかる。

撃墜されたorlan1-10から発見された電子部品撃墜されたorlan1-10から発見された電子部品

既に3月末にキヤノン社はロシアへの販売を停止したとするが、第三国経由や中古市場含めていくらでも入手されてしまうだろう。日本製カメラがウクライナ侵攻における無差別砲撃の「立役者」となってしまっているのだ。

ただし、これをもってカメラの輸出規制を強化すべきとの議論は間違いだ。市販品の一眼レフカメラの輸出規制は不可能であるし、日本の民間企業の貿易を阻害する。百害あって一利なしだからだ。流出を問題視するのではなく、日本がこうした技術を国産ドローン製造開発のためにほとんど活用できていないことを問題視するべきだろう。

 

Orlan-10の内部からはHONDA JAPANとかかれたケーブルも発見されている。通信用コネクタ製造で有名な本多通信工業の製品だと推察される。

前出の動画より。「HONDA JAPAN」のラベルが貼られている前出の動画より。「HONDA JAPAN」のラベルが貼られている

エンジンも日本製

筆者は昨年7月にOrlan-10に小型エンジン製造で有名な斎藤製作所のエンジンが搭載されていると指摘したが、今次戦争でも同社のエンジンがOrlanシリーズから再び発見されている。興味深いのは、以前は「SAITO」というラベルが張り付けられたままだったのに対し、今回はその出自を隠すかのようにラベルがいずれも剝がされている点だ。

以下はOrlan-10と最新鋭機のOrlan-30の残骸だが、それぞれ斎藤製作所のエンジンとみられる。同社に確認したところ、いずれも同社の製品をロシア側がかなりの改造を施した上で使用しているようだとの回答があった。

Orlan-30のエンジンOrlan-30のエンジン
Orlan-10のエンジンOrlan-10のエンジン

また斎藤製作所によれば、2021年7月の筆者による記事「日本人が知らない、日本製品が「無断で軍事転用されている」大問題」が公開された後で、対ロシアのみならず過去数年の全輸出取引に関して経産省からヒアリングがあったという。同時期に出荷待ちのロシアへの輸出案件――産業用途であることを先方に確認済み――があったが、それについても経産省に相談したところ、詳細な情報を要求されたという。

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