婚姻届けを出すことを迷った理由

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東京ガスは悪くない。私たちが各々持ちあわせていた本音という爆弾に火がついただけである。姓が変わることに納得できない私に、「だって、しょうがないじゃないか」と、えなりかずきさんがチラつくようなパートナーの表情が腹立たしかった

「しょうがないけど、せめて、あなたは理解していて」と、彼に対する寂しさと、制度に対する悔しさで涙が溢れた。

店員さんも痴話喧嘩を始めたカップルに焦って焼いたのか、藁焼きというわりにはやけに生っぽい鰹を泣きながら食べたことをしっかり覚えている。

婚姻届を出そうと決まってからも、私は旧姓の笹森姓を打診し続けた。姓名判断やあみだくじを提案するも、もろくも崩れ去る。

写真提供/バービー

そもそも、法律婚をするかどうか長らく結論が出なかったのは、どちらも姓を変えたくないという思いが理由のひとつだ。まだ、選択的夫婦別姓制度が導入されていないため、話は平行線を辿っていた。

私が結婚に納得するということは、私が姓を変えることを受け入れたということになる。我々の場合は、その選択しかなくなっていた(なぜそこまで頑なだったのか、私が思う結婚に関するよくないイメージは昨年書いた記事を参照ください)。

夫の姓を名乗ることで、管理下に置かれるイメージがあった。

「うちの愚妻が失礼しました」という文章は、スッと入ってくるが、「うちの愚夫が」とは、あまりピンとこない。私の家庭がそうだったからというのもある。「○○しなさい」と言うのはいつも父だった。