2022.04.30
# 年金

年金は「60歳、65歳、70歳、75歳」どこでもらうのが一番おトク…?と考えている人の「根本的間違い」

山中 伸枝 プロフィール

本来、老齢年金は長生き保険ですから、長生きに備えるものです。松田さんが抱える老後の不安は、身体の寿命とお金の寿命とを比較した時に身体の寿命の方が長いかも知れないと思っているからご相談においでになっている訳です。

そうであれば、公的年金は間違いなく身体の寿命が終わるまで必ず支払われるのですから、年金で老後の生活が賄えればすなわち老後の不安が消えるということです。

繰上げをしてもその金額で老後の不安が解消されないのであれば、その方にとって繰上げは意味のない選択肢です。老後の安心が手に入らない年金受給計画では、長生き保険の意味もありません。

photo by iStock
 

では、5年年金を繰下げてみたらどうでしょうか? 老齢基礎年金は42%増しの1,019,560円、老齢厚生年金も42%増しの1,658,560円、合計2,678,120円となります。

2022年4月に改正された新しい繰下げのオプション75歳を受け取りとすると、65歳時点の年金より84%も増えるので、老齢基礎年金と老齢厚生年金を併せると3,470,240円となります。

母親と同居する松田さんの場合、今後一人になることを前提にすると、月30万円近くの年金は多すぎるかも知れませんが、仮に高齢期に介護施設に入ろうとすると、ある程度の一時金の他に、月20万円は費用がかかる所も多いので、今後必要な生活資金をどう賄うのかという視点に立ち考えてみる必要がありそうです。

松田さんは「年金の損得だけを考えていましたが、確かに老後の生活設計という最も重要な点を忘れてしまっていました」とおっしゃいました。

SPONSORED