2022.04.27

超円安で「日本人の生活」がピンチ…それでも日本政府が「為替介入」できない本当の理由

急ピッチで進む円安に対して、一部から為替介入を実施すべきとの声が上がっている。だが、通貨安を防衛するための為替介入には制限が多く、あまり現実的とはいえない。しかも米国政府はインフレ抑制が最優先であり、ドル安を歓迎する可能性は低い。介入によって円安を阻止するという流れにはなりにくいだろう。

円安の原因は、日米の金融政策の違い

このところ進んでいる円安は、近年、目にしたことのないペースである。2022年2月までは、1ドル=114~115円で推移していたが、3月に入って一気に円が下落。1カ月半で14円も下がり、一時は1ドル=129円台を付けた。これは20年ぶりの水準である。

今、急激に円が売られている理由は、主に日米の金利差、つまり日米の金融政策の違いによるところが大きい。世界各国はリーマンショックに対応するため、市場に大量のマネーを供給する量的緩和策を行ってきた。米国は一定の成果を上げ、すでに量的緩和策を終了。金利を引き上げ、市場からマネーを回収する金融正常化モードに入っている。

黒田東彦日銀総裁〔PHOTO〕Gettyimages
 

加えて、コロナ後の景気回復期待やウクライナ戦争などによって全世界的にインフレが激しくなっており、物価対策の必要性から、金利の引き上げが前倒しされる可能性が高まっている。ところが日本は依然として量的緩和策を継続中で、日銀は大量の国債を購入している。結果として日本は超低金利のままとなっており、日米の金利差は今後、大幅に拡大する可能性が高い。

米国は金利を引き上げ、市場から資金を回収しているのに対して、日本は金利を引き下げ、市場にマネーを供給している状況なので、日本円の価値は減価しやすい(つまり円安が進みやすい)。日銀は当面、現在の金融政策を維持する方針を示しているので、日米の金利差は今後、さらに拡大すると予想する関係者がほとんどである。

つまり今、発生している円安は日米の金融政策の違いという構造的な要因であり、日本の金融政策が変わらない限り、同じ市場環境が続く。

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