日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」

何から何まで、超効率的に…
廣瀬 陽子 プロフィール

PMCを利用する7つのメリット

だが、軍事を民間にアウトソーシングすることにどれだけのメリットがあるのだろうか。以下に、PMCを利用するメリットを提示する。

(1)人件費の節約

軍隊で最もお金がかかるのが人件費である。前線で兵士1人を戦わせるためには、まず前線に立つ前の訓練費用、そして武器など戦闘装備の供給、弾薬から被服までの補給・補修、食事、宿舎、兵士が負傷した際の医療費、死亡した場合の弔慰金、退役後の年金など、とてつもない費用が必要となる。

とりわけ、米軍のように高度に技術化された軍隊では、最前線で戦う兵士とそれを支える人員の比率は1対100であるとされ、そのことは戦闘をおこなっている兵士1人を支える後方要員が100人必要となることを意味する。

米軍の一般部隊の兵士の平均年収を3万5000ドルとすると、兵士1人につき後方要員の給与として350万ドルが必要となり、1000名の兵士を戦わせるとなれば、最低でも後方要員の給与だけで35億ドルがかかり、実際には給与以外の諸々の費用がかかるわけであるから、想定できないほどの費用がかかることがわかる。

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特に高額の費用がかかるのが、ロジスティクスや管理部門であるが、こうした分野を外部にアウトソーシングすることで、経費を大幅に削減しようとするニーズがPMCの誕生と成長に繋がったとされる。

戦闘訓練以外の部分を軍人が担わなくて済めば、軍隊は本来の主要任務に集中できるし、外注によって人件費を半分くらいに削減できるようになる。実際、米軍や英軍などはロジスティクスをほぼPMCに外注しているのである。

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