日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」

何から何まで、超効率的に…
廣瀬 陽子 プロフィール

(2)サービスのきめ細かさ

次に、民間企業だからこそできるPMCのサービスのきめ細かさがある。民間企業であるが故に、PMCは政府に限らず、会社組織、団体、個人などからも依頼を引き受けることができる。

政情不安な地域に工場を置く企業、治安の悪い地域で活動するNGO(非政府組織)、戦地を取材するジャーナリストなども警護や警備を依頼できるし、費用さえ支払えば、クライアントの要望に応じて、かなり困難な依頼も引き受けてくれる。

つまりPMCは、正規軍にはできないような依頼にも対応してくれるという強みを持つ(ボランティアとして扱われながらも犯罪行為をさせられたとして、2018年末に数人のワグネル戦闘員が国際刑事裁判所に訴えた事実もあるが、本件の結論は不明)。

(3)質の高いサービス

また、質の高いサービスを必要な期間だけ利用できるというのもクライアントにとっては大きなメリットだ。PMCに所属する人員は、素人から元軍人や退役軍人まで、また階層も無関係でピンキリであるが、きわめて優秀な人材も集められている。プロ意識も技術も人によりけりであるが、多額な費用を出せば、正規軍よりも優秀な人材に任務を遂行してもらうこともできるのである。

 

(4)効率性・迅速性

人員の提供がきわめて効率的かつ迅速におこなえる。正規軍から人員を補充することになれば、厄介な政治的・官僚的手続きを要するが、PMCからはそのような煩雑な手続きなしに人員の補給が可能である。

そのため、クライアントが軍隊であることも多いという。軍隊にもPMCを利用する費用以外の大きなメリットがある。例えば、前線で急な増員が必要となった場合に、兵士を新たに訓練したり、予備兵を現役に戻したりするよりも、素早く柔軟に増員することが可能となる。

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