日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」

何から何まで、超効率的に…
廣瀬 陽子 プロフィール

また、現代兵器はハイテク化があまりに進みすぎていて、昔ながらの小火器をのぞく兵器は、電子システムとITを連動させることなくしては運用が難しくなっている。このような最新兵器の操作、保守、整備は高度に専門化した技術者にしかできない。

軍隊も当初、専門家を育成しようとしたが、それにはあまりに費用と時間がかかるということで、兵器システムと技術者をともにアウトソーシングしたほうが手早く、費用も抑えられるということになった。これもPMCを利用するメリットとなっている。

同様のことが情報サービス分野においても言える。ITへの依存度が近年、飛躍的に増大し、また技術の発達がきわめて早いなかで、政府機関だけで最新の技術に対応してゆくのはもはや不可能となっている。

ハードウェア、ソフトウェアともに、技術の革新は民間で生まれているのであるから、軍隊や情報機関も優秀な民間企業や専門家に業務委託をしたほうが安上がりでかつ、最新かつハイレベルのサービスを期待できることとなる。ただし、政府と民間の癒着が生まれやすくなるというデメリットもあることは忘れるべきではない。

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(5)死の保障をしなくてよい

軍人が死亡すれば、膨大な見舞金、補償金などの費用がかかり、また、遺族から批判を受けることも少なくないが、PMCの戦闘員はあくまでも自己責任で参加しているため、PMCの戦闘員がどうなろうと、政府の責任ではない。

つまり、政治コストがきわめて安くなる。なお、ロシアのPMCの戦闘員は戦地で死亡したとしても、ほとんどが遺族の元に帰れないという。戦地で身元不明の遺体として埋葬されるケースがほとんどであるらしい。

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