日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」

何から何まで、超効率的に…
廣瀬 陽子 プロフィール

(6)国際的な批判を受けづらい

正規軍であれば、その活動の責任は、当該軍が属する国家に帰せられるが、あくまでも民間であるPMCの活動については、仮に当該国家が活動を依頼していたとしても、当該国家は「知らぬ存ぜぬ」を貫き通すことができる可能性が高い。

つまり、ある国家が望む軍事行動をPMCにおこなわせれば、国際的な批判を受けづらいというメリットがあり、実際、諸外国に対する軍事行動は、国際的な批判や制裁の対象になることがほとんどであるため、この意義はきわめて大きい。

(7)軍事力の補填

PMCに頼りたいのは、大国だけではない。内戦状況のなかで、弱小な軍事力しか持たないような国にとっても、PMCは重要な意味を持ちうる。PMCを雇うことによって、国内のゲリラ、武装勢力、テロリストなどに対抗する術を得ることができるのである。だが、このような国内の問題にPMCを使うことに対しては国際的な批判も多く、最近ではあまり用いられなくなっているとも聞く。

 

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「ワグネル」をはじめとしたロシアのPMCは、世界各地へと赴いてさまざま戦闘や工作に従事していると言われている。もはやロシアにとって、PMCという存在は戦争遂行に必要不可欠なのではないだろうか。そんなPMCは実際にどういった活動を繰り広げてきたのか、【後半】『プーチンも完全には制御できない? ロシア「民間軍事会社」の恐ろしい実態』では恐ろしい実態について詳しく解説する。

【注釈】
Krahmann, Elke. “Regulating Private Military Companies: What Role for the EU?,” Contemporary Security Policy, Vol.26, No.1, 2005;坂本明他『[図解]民間軍事会社と傭兵』(コスミック出版、2016年)、小泉悠「ロシア謎の民間軍事会社“ワグネル”」『軍事研究』2019年4月号。

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