プーチンも完全には制御できない? ロシア「民間軍事会社」の恐ろしい実態

世界各地で暗躍している

激戦が続くウクライナ国内で、戦闘や情報収集などさまざまな場面で活躍していると見られる民間軍事会社(PMC)。ロシア政府が「ワグネル社」をはじめとするPMCに軍事業務を「外注」する理由については、【前編】『日本人が知らない、ロシア「民間軍事会社」の驚異的な「戦争代行サービス」』で解説した。

ロシアのプーチン大統領も、過去の戦争や紛争でPMCを戦闘や工作に積極的に利用してきた。これまでの実例を検討しながら、今もウクライナで暗躍しているというPMCの知られざる実態を書籍『ハイブリッド戦争』から紹介しよう。

暗躍するロシアのPMC

近年、ロシアのPMCの暗躍がめだつようになってきたが、じつは、ロシアのPMCは、世界で見ればきわめて小さい規模である。世界のPMCトップ20にもロシアのPMCは入らず、米国、英国などのPMCがやはり大きな影響力を持ってきた。

それでも、ロシアのハイブリッド戦争には、やはりPMCの活動が不可欠である。PMCのロシアにおける発展は、戦争のあり方が変化するなかでの必然であったという見方もされている(注1)。

ロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
 

それではロシアはどのようにPMCを利用してきたのだろうか。1990年代前半のボスニアにロシアの民間警備会社「ルビコン」に所属する義勇兵が展開していたことが明らかになっているなど、その利用は決して新しいものではなさそうだ(注2)。

1990年代初頭のアルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争、沿ドニエストル、アブハジアやボスニア紛争などでPMCが展開していたと言われているが、当時は、1995年に連邦保安庁(FSB)を設立した連邦防諜局(FSK)の管轄下にあったことを強調したい。

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