突然現れた「見ず知らずの相続人」
「亡くなった父はとにかく豪快な人でした。毎晩のように飲み歩いて、交友関係もとても広かったんです。でも、家庭をないがしろにすることは無く、母にも私たち子供にもとても優しく、本当に男気のある人でした」
そう語るのは山村さんご一家(仮名)。お父様を突然病気で亡くされ、四十九日が終わった後、相続手続きのためにお子様が私のもとを訪れました。

相続人は奥様と2人のお子様です。遺産の在りかも全てご家族が把握しており、総額は2億円ほど。相続税がかかることも予め分かっていたので、山村さんご一家も担当税理士の私も、何も問題なく相続手続きが終わるだろうとたかをくくっていました。
しかし、山村さんからの一本の電話で状況が一変します。
「先生! 大変なことになりました! 実は、相続人がもう1人見つかって4人になったんです!」
「えっ!? どういうことですか? 相続人は、奥様とお子様2人の合計3人だったはずですよね?」
「そうなんです。私たちもそう思っていたんですが…。先生に言われた通り、父の【出生から死亡までの連続した戸籍謄本】を区役所に取りに行ったら、『もう1人相続人がいます』と区役所の人に言われたんです…。たしか、“にんち”がどうのこうのって言ってました」
「認知だ!!」