3~4合目 遺産探し
相続財産を確定するために、亡くなった人の遺産を探す手続きです。生前から亡くなった方の財産を家族が管理していれば問題ないですが、そうでない場合どんな遺産がどこにあるのか調べる必要があります。預金や不動産などプラスの遺産のほかに、借金もマイナスの遺産として考える必要があるため、効率的な遺産の探し方を知っておくと良いでしょう。
5合目 遺産分け
発見された遺産について、誰がどの遺産を相続するか相続人全員で話し合う手続きです。この話し合いで揉めてしまうと、テレビや雑誌などでよく目にする「遺産争い」に発展し、相続山の頂上まで辿り着けない恐れがあります。「うちは絶対に大丈夫!」そう思い込んでいる家ほど実は危なく、まさに相続山の最難関と言われる難所です。
6合目 名義変更
遺産分けの話し合いがまとまり、どの遺産を誰が引き継ぐかを記載した「遺産分割協議書」が作成出来たら、それに従って遺産の名義を相続人に変更する手続きです。この名義変更が終わると、相続人は遺産を自分のために使ったり、売却したりすることができるようになります。
7~8合目 相続税の申告
遺産が一定の金額以上ある場合、相続税の申告書を作成して税務署に提出する手続きです。この相続税の申告には決められた期限があるため、それまでに相続山を登りきらないといけません。もし、期限内に登り切れなければペナルティを受ける恐れもあるので要注意です。
9合目 税務調査対策
わざと遺産を少なく申告したり、申告せず無視したりしていると税務調査が入る可能性があります。たとえ故意ではなくても、遺産の申告漏れが発覚すれば、税務署から指摘されることもあるため、どんな家が税務調査の対象になりやすいか事前に知っておくことは重要です。
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そして、山村さんご一家は、相続山2合目の「相続人の決定」を行うために、亡くなったお父さまの出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取り寄せたところ、お父様が過去に認知をしていたことを知ったのです。

奥様もお子様2人もこの戸籍謄本を取り寄せるまでは、認知している子供がいることを知らなかったため、相続手続きは順調に進むと思っていました。しかし、新たな相続人が登場したことで、相続山の天気は一気に雲行きが怪しくなってきたのです。
なぜなら、相続山5合目には、相続人全員による「遺産分け」が待っています。見ず知らずの相続人の登場によって、山村さんご一家の遺産分けは一体どうなってしまうのでしょうか?
詳細や遺産分けのルールについて後編<父の遺産2億を相続も…「見知らぬ相続人」の登場でかかった“思わぬ費用”>でお届けします。