突然の病気でお父様を亡くされた山村さんご一家は四十九日もおわり、相続手続きのため、税理士である私のもとを訪れました。お父様の遺産は2億円ほどで、相続税が発生することがわかっていましたが、遺産の在りかや、相続人(奥様と2人のお子様)もはっきりしていたので、このまま順調に相続が進むと思われていました。
ところが、前編でご紹介した通り、お父様の【出生から死亡までの連続した戸籍謄本】を取り寄せたところ、認知している別のお子様がいらっしゃることがわかったのです。つまり、相続人は4人。遺産分けはどうなってしまうのでしょうか。

遺産分けのルールとは?
まず、前編でもご紹介しましたが相続は「山登り」に例えると非常に分かりやすくなる、と言われています。「進むべきルート」と「順番」が決まっているからです。具体的には下記の通りです。
・1合目 役所手続き
・2合目 相続人の決定
・3~4合目 遺産探し
・5合目 遺産分け
・6合目 名義変更
・7~8合目 相続税の申告
・9合目 税務調査対策
・2合目 相続人の決定
・3~4合目 遺産探し
・5合目 遺産分け
・6合目 名義変更
・7~8合目 相続税の申告
・9合目 税務調査対策
そして相続山5合目の遺産分けに当たっては、実は「こうすべき」という分け方が決められていません。
今回のように相続人が4人の場合には、遺産を1/4ずつ均等に分けてもいいですし、民法が定める法定相続分に従って配偶者が1/2を相続し、残りの1/2を子供たちが均等に相続することも出来ます。さらに、相続人の誰か1人がすべてを相続することも可能なのです。