2010年代はSXSW出演からの流れ

また、もう一つのルートとしてあるのが、2010年代以降みられるようになった、SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)への出演後、というパターンではないだろうか。SXSWはさまざまなイベントが含まれる音楽フェスティバルだが、同時に業界向けの見本市としても機能している側面を持っている。Perfumeは2014年からアメリカツアーを開始し、2015年にSXSWに出演した後に2019年のコーチェラに招待され、アメリカRolling Stone誌の選ぶベストアクト16に選出された。

2019年のコーチェラでのPerfumeのステージ。

今年で2回目という韓国アーティスト初の記録を刻んだヒップホップグループEPIK HIGHも、YGエンターテイメント傘下だった2015年にSXSWへの出演と並行してアメリカツアーを行い、2016年に韓国のアーティストとしては2組目のコーチェラ出演を果たした。ちなみにコーチェラに初めて出演した韓国系アーティストはイ・ユンジョンと美術作家イ·ヒョンジュンが作ったEEというパフォーマンスグループで、2010年にインテルが世界で注目を集めるクリエイションとアーティストを紹介する「The Creators Project」に選出され、翌年の2011年にコーチェラに出演している。

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2022年は「多様なアジア」が集結

今年のコーチェラは、サプライズゲストも含めると20組以上のアジア系アーティストが出演している。

パキスタン出身で現在はブルックリンベースで活動し、パキスタンのアーティストとしては初めてグラミー賞を受賞(ベストグローバルミュージックパフォーマンス)したアルージ・アフタブ、日系アメリカ人(日本人の母とアイルランド人の父をもつ)でアルバム「Kid Krow」がビルボードのポップ・チャート1位を獲得したコナン・グレイ、アルバム「Jubilee」がグラミー賞にノミネートされた韓国系アメリカ人のミシェル・ザウナー率いるバンド、ジャパニーズ・ブレックファスト。
さらに、インド系アメリカ人のRaVeena、韓国系DJ&ビートメイカーとして知られているTOKiMONSTAや韓国出身でベルリンベースで活動しているDJのPeggy Gou、Z世代らしいDIYベッドルームポップスでBRITアワードのライジングアーティストにノミネートされたフィリピン系イギリス人のBeabadoobee、モンゴルのヘヴィメタル&フォークロックバンドThe HUや先述のEPIK HIGH、イギリスで活躍している日本人アーティストのリナ・サワヤマやアメリカでも独自のファンダムを構築しているきゃりーぱみゅぱみゅなど、幅広い国で活動する多様性に溢れるアーティストたちがステージを賑わせた。

今年のコーチェラでのジャパニーズ・プレックファストのステージ。名前の由来は「ブレックファスト」というアメリカ的な響きと「ジャパニーズ」という外国風な響きとの組み合わせが好きだったから、と過去のインタビューで明かしている。
今年のコーチェラでのリナ・サワヤマのステージ
今年のコーチェラでのきゃりーぱみゅぱみゅのステージ

特に大きな存在感を示したのが、88risingのアーティスト達によるステージだろう。