知りすぎると“消される”…ロシア最大の民間軍事会社「ワグネル」のヤバい実態

事実上の「ロシア軍別動隊」だ

ウクライナをはじめ、世界各地でロシアの軍事作戦に従事しているといわれる「民間軍事会社」(PMC)。中でも最大規模を誇るのが、プーチンの側近であるエブゲニー・プリゴジンが出資する「ワグネル」だ。【前編】『「プーチンの側近」がオーナーを務める軍事会社「ワグネル」の知られざる現実』に引き続き、プーチンの国家戦略を分析した書籍『ハイブリッド戦争』から同社の実態を詳しく紹介しよう。

実態は国営の軍事会社

ワグネルは、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)と緊密な関係にあるとされている。小泉悠は、GRUが民間企業を装って設立した事実上の「ロシア軍別働隊」であるとし、コントラクターの募集、訓練、実際の軍事作戦に至るまで、すべて、GRUの指揮下でおこなわれていると見られると述べる。

ワグネルの訓練キャンプはロシア南部クラスノダール州のモリキノに設置されているといわれるが、そのキャンプもGRU第10特殊作戦旅団のすぐ隣にあり、射撃訓練場などは共有されているという。元コントラクターの話によれば、戦地に派遣されるワグネルの部隊はGRUの特殊作戦部隊にほぼ準拠した編制を採用し、シリアでは戦車や火砲さえ与えられていたという。

ロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
 

つまり、実態としては、ほとんど「国営」軍事会社であり、「民間」に偽装した軍隊ともいえるのである。

そして、オーナーのプリゴジンもクレムリンから支持を得ていることから、ワグネルがロシア政府ときわめて緊密な関係を維持しているのはまちがいない。なお、ウトキンもクレムリンのレセプションに招待されており、プーチンとの直接の関係もあるという見方が有力だ。また、ロシア連邦軍の総参謀本部の一般情報機関(GIA)の特別任務旅団に指定されているとも言われている。

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